Dd診断力てすと『多発する口腔内潰瘍』

藥師寺 孝1) Takashi YAKUSHIJI 柴野正康2) Masayasu SHIBANO
1)東京歯科大学千葉歯科医療センター 口腔外科 2)高崎総合医療センター 歯科口腔外科

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2023年7月号より、「多発する口腔内潰瘍」についてです。

図❶ 歯科口腔外科受診時の口腔内写真。舌背部に多発する口内炎を認めた

患者:79歳、女性
主訴:舌が痛い
既往歴:高血圧症
現病歴:全身倦怠感と持続する微熱を自覚して近内科受診したところ、上腕、大腿、下腿の浮腫性変化を認めたため、某総合病院内科での精査を勧められて同科を受診した。内科での血液検査で炎症反応の著明な亢進(白血球数17,100/µL、CRP 18.75mg/dL)があり、原因検索のため入院となった。入院5日後より舌の疼痛を自覚したため、歯科口腔外科紹介となった。
現症
全身所見;体格中等度。下肢浮腫著明。呼吸苦は認められなかった。
口腔外所見;顔貌左右対称、顎下および頸部リンパ節の腫大は認められなかった。
口腔内所見;舌背部に辺縁が白色隆起した潰瘍病変が多発しており、食事摂取時に違和感と軽度の疼痛を自覚していた(図1)。
歯科口腔外科受診時の臨床検査所見(入院5日後);白血球数 19,900/µL、赤血球数 386×104/µL、Hb 10.9g/dL、血小板数 36.1×104/µL、CRP 13.81mg /dL、CRE 1.30mg/dL、 BUN 21.3mg/dL、AST(GOT)34U/L、 ALT(GPT) 301U/L、CH50 31.3U/mL。

Q 多発潰瘍の原因となった全身疾患名はどれか?

① ベーチェット病
② 顕微鏡的多発血管炎
③ 粘膜類天疱瘡

④ 後天性免疫不全症候群(AIDS)

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2023年7月号に掲載中!/

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