Dd診断力てすと『上唇から鼻下の腫脹』

都田絵梨奈 1,2)Erina TODA 管野貴浩 1)Takahiro KANNO
1)島根大学医学部 歯科口腔外科学講座 2)国立病院機構 浜田医療センター 歯科口腔外科

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2023年5月号より、「上唇から鼻下の腫脹」についてです。

ゼネラルデンタルカタログ

図❶ 初診時、左鼻前庭に隆起を認めた
図❷ 同、パノラマX線写真、CT画像、MRI画像(T2強調像)。根尖部周囲に類円形病変を認めた(赤矢印)
  • 患者:36歳、女性
  • 主訴:左上唇から鼻下の無痛性の腫れ
  • 現病歴:1年前より左上唇から鼻下の腫脹を自覚していた。半年前から徐々に増大傾向となり近医耳鼻咽喉科を受診したところ、歯との関連性が疑われ、精査・加療依頼にて当科紹介受診となった。
  • 既往歴:アレルギー性鼻炎
  • 現症
  • 口腔外所見;顔貌所見において左上唇から鼻翼基部に膨隆を認め、左右非対称であった。同部に軽度の圧痛を認めるも、知覚異常や運動障害は認めなかった。
  • 口腔内所見部頰側歯槽部に膨隆を認め、圧痛を伴っていた。に打診痛を認めず、は歯内治療後で根管充塡・歯冠補綴後であった。
  • 画像所見:パノラマX線写真では、部に梨状口下縁付近までに及ぶ類円形の淡い不透過性の亢進を認めた。
     CT画像では、左梨状口下縁部から鼻腔方向へ類円形の囊胞様病変を呈し、隣接した上顎骨梨状口縁には陥凹状の骨吸収像を認めた。
     MRI画像では、左梨状口下縁部から鼻腔方向・鼻翼皮下に及ぶT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を呈する最大径14.5mm大の囊胞様病変を認めた。
Q 最も疑われる疾患名は?

① 歯根囊胞
② 鼻歯槽囊胞
③ 腺様囊胞癌

        ④ 歯槽部膿瘍

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2023年5月号に掲載中!/

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