Dd診断力てすと『繰り返し出現するびらん』

成相義樹 Yoshiki NARIAI

松江市立病院 歯科口腔外科 〒690-8509 島根県松江市乃白町32-1
島根大学医学部 歯科口腔外科学講座 〒693-8501 島根県出雲市塩冶町89-1

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2023年9月号より、「繰り返し出現するびらん」についてです。

ゼネラルデンタルカタログ

図❶ 初診時の口腔内写真

患者:74歳、男性
初診:2022年10月
主訴:両側下顎歯肉の疼痛、出血
現病歴:かかりつけ歯科にて、3ヵ月ごとの歯周病管理がなされていた。2022年8月、両側下顎大臼歯の歯肉頰移行部にびらんを生じるようになり、同歯科を受診した。原因不明で経過観察とされていたが、びらんは繰り返し、他の部位にも生じることがあり、ときどき出血もみられたため、精査目的に紹介され受診となった。
既往歴:高血圧症、白内障術後
常用薬:カンデサルタン錠4mg;1錠/日、カルナクリン錠50;3錠/日
アレルギー歴:なし
現症
全身所見;体格中等度、栄養状態は良好であった。四肢に搔き傷が数ヵ所みられた。
口腔外所見;顔貌は左右対称で皮疹はみられなかった。
口腔内所見:両側下顎大臼歯の歯肉頰移行部に白苔がみられた。部頰側歯肉に水疱があり、内部に血液が貯留していた(図1)。また、左側下顎臼歯部舌側歯肉に幅広く発赤を生じていた。
免疫血清学的検査所見
CLEIA法;抗BP180抗体……55.7U/mL(上限値8.9U/mL)、抗デスモグレイン1抗体<3.0 U/mL(上限値19U/mL)、抗デスモグレイン3抗体<3.0U/mL(上限値19U/mL)。
蛍光抗体間接法;抗表皮基底膜部抗体……陰性、抗表皮細胞膜(間)抗体……陰性。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 血腫
② 尋常性天疱瘡
③ 類天疱瘡

④ 口腔扁平苔癬

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2023年9月号に掲載中!/

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