日本歯科新聞社・デンタルダイヤモンド社 コラボ企画 歯科医師で弁護士の小畑真先生にインタビュー「新時代の患者トラブルにどう対応?」

弁護士法人 小畑法律事務所
代表弁護士・歯科医師

小畑 真 先生

最も多いトラブル要因は?

――近年、認知症が疑われる高齢者や、ADHDや発達障害の方が急増しているという話をよく聞きます。
 歯科医院での法的なトラブル対応をサポートしている小畑先生から見て、トラブルの内容も変化してきているのでしょうか。

小畑 たしかに、潜在的にそれらの要素がトラブルの引き金になっている可能性はありますが、表面上は分からないことが多いでしょう。ただし、医院で、認知症やADHDなどの患者さんをスクリーニングする方法があれば、対処できることは多いかもしれませんね。

――患者トラブルで、一番多いのはどのようなことですか。

小畑 医療者側は誠実に治療していたとしても、説明不足、患者さんの理解不足でトラ
ブルになるケースが多いですね。
 「何度説明しても、患者さんに聞き返される」「その時には納得していたのに、あとで
『聞いてない』と言われた」などは、ほとんどの医療従事者が日常的に経験していると思
います。それらがこじれて大きなトラブルになっているようですね。

3つのトラブル予防策

――トラブル防止に有効な対策は。

小畑 高齢者やADHDの患者さんなどのケースもそうですが、「同意書を書いてもらう」「患者さんにも手控えを渡す」「周囲の協力を得る」の3つで防げるトラブルは多いと思います。

――患者トラブルで、一番多いのはどのようなことですか。

小畑 医療者側は誠実に治療していたとしても、説明不足、患者さんの理解不足でトラ
ブルになるケースが多いですね。
 「何度説明しても、患者さんに聞き返される」「その時には納得していたのに、あとで
『聞いてない』と言われた」などは、ほとんどの医療従事者が日常的に経験していると思
います。それらがこじれて大きなトラブルになっているようですね。
 誠実に説明したことを、第三者にも分かる形で院内に記録を残すことが大事ですし、患者さんが何度も読み返せる手控えを渡すことは、周囲の協力を得る上でも有効です。

――実際にトラブルが起きてしまった時の対応は。

小畑 こじれてしまってからでは、時間や費用だけでなく、メンタル面のダメージも大きくなりますので、何より「早期」、かつ「適切」な対応が重要です。
 患者さんのクレームの背景には、「思い込み」や、「インターネットなどで得た不確かな情報」がある場合も多くあります。いつでも正確な法的情報にアクセスできるよう、すぐに調べられる本を手元に置くことも重要ではないでしょうか。

「この患者さん、もしかしたら?」
「私もひょっとして?」と思ったら…

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