Dd診断力てすと『多発する口腔粘膜の血腫』

山城正司 Masashi YAMASHIRO
NTT東日本関東病院 歯科口腔外科 〒141-8625 東京都品川区東五反田5-9-22

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2023年10月号より、「多発する口腔粘膜の血腫」についてです。

ゼネラルデンタルカタログ

図❶ 頰粘膜の血腫
図❷ 舌の血腫
図❸ 体幹部の出血斑

患者:78歳、男性
主訴:口腔からの出血
現病歴:XX年X月15日(水)、かかりつけ歯科でPMTC、TBIを行ったが、口腔粘膜に異常所見はなかった。X月16日(木)、朝起床時に口腔内から出血し、枕に血液が付着していた。活動性の出血はなかったが、終日唾液に血液が混じる状態が続いた。X月17日(金)、昼、かかりつけ歯科を受診し、口腔粘膜に血種が多発しているのを認めた。かかりつけ歯科より当科へ電話連絡があり、緊急対応が必要と判断し、当日午後に急患受診となった。
既往歴:膀胱がん(21年前、17年前)、前立腺がん(14年前)。
現症
PS0、体温;36.1℃、脈拍;55/分、呼吸数;18/分、血圧;129/86mmHg
 眼瞼結膜に異常なし、頸部リンパ節腫脹なし、口腔粘膜に出血斑が多発、体幹~四肢にも血管腫様の隆起性病変と点状出血を認めた(図1~3)。
血液検査所見
血算;WBC 5.5×103/μL、RBC 439×104/μL、HGB 14.4g/dL、HCT 41.6%、PLT 1,000/μL、幼若血小板 10.2%、網赤血球 1.7%。
血液像;芽球 0.0%、前骨髄球 0.0%、骨髄球 0.0%、後骨髄球 0.0%、好中球 71.0%、リンパ球 21.0%、単球 6.0%、好酸球 1.0%、好塩基球 1.0%。
凝固・線溶;出血時間 5.5分、APTT 23秒、PT 106%、PT-INR 0.97、Fibrinogen 286mg/dL、FDP 2.2μg/mL、Dダイマー 0.8μg/mL。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 急性骨髄性白血病(AML)
② 播種性血管内凝固症候群(DIC)
③ 特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病(ITP)

④ 全身性エリテマトーデス(SLE)

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2023年10月号に掲載中!/

▽月刊デンタルダイヤモンドのバックナンバーはこちら▽

https://www.dental-diamond.co.jp/list/103

▽診断力てすとのバックナンバーはこちら▽

https://dental-diamond.jp/test.html