歯医者の診断力テスト『抜歯後の違和感』

廣田 誠 Makoto HIROTA 
横浜市立大学附属市民総合医療センター 歯科・口腔外科・矯正歯科
〒232-0024 神奈川県横浜市南区浦舟町4-57

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2023年3月号より、「抜歯後の違和感」についてです。

ゼネラルデンタルカタログ

図❶ 初診時の顔貌
図❷ 同、口腔内写真
図❸ 同、パノラマX線写真

  • 患者:73歳、男性
  • 主訴:歯を抜いたところが治らない
  • 家族歴:特記事項なし
  • 既往歴:脳梗塞
  • 現病歴に歯肉の腫脹と歯の動揺があり、歯周炎の診断にて近歯科にて同歯を抜歯した。その際、の違和感が出現したが、抜歯後の治癒過程ということで経過観察となった。その後、同部位の違和感が消失しないため同歯科を受診し、歯周炎の診断にて抜歯するも自覚症状の改善はなく、再び経過観察となった。しかし、3ヵ月経過しても改善せず、また抜歯部位の治癒不全も認めたため、右下顎骨骨髄炎の診断にて当科を紹介受診となった。
  • 現症
  • 全身所見;体格は中等度、栄養状態は良好。脳梗塞の既往があるため、左側の片麻痺が認められた。
  • 口腔外所見;右眼の閉眼不全、右口角の下垂を認めた(図1)。また、右下歯槽神経知覚鈍麻が認められた。
  • 口腔内所見抜歯部位には硬結を認める肉芽状腫瘤(図2)が増生していた。
  • 画像所見;パノラマX線写真では、抜歯部に抜歯窩と考えられる透過像が認められたが、透過像と下顎管とのあきらかな連続性はなかった(図3)。抜歯部位は、治癒していると考えられる所見であった。

 Q 最も疑われる疾患名は?

① 下顎骨骨髄炎
② 帯状疱疹
③ 下顎歯肉癌
④ 放射線性下顎骨壊死

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2023年3月号に掲載中!/

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