本のエッセンス|はじめに:MTAのファーストステップ ポテンシャルを活かすベーシック&テクニック

本のエッセンスは、書籍の「はじめに」や「刊行にあたって」に詰まっています。
この連載では、編集委員や著者が伝えたいことを端的にお届けするべく、おすすめ本の「はじめに」や「刊行にあたって」、「もくじ」をご紹介します。
今回は、MTAのファーストステップ ポテンシャルを活かすベーシック&テクニックです。

ゼネラルデンタルカタログ

はじめに

 MTA についての講演を依頼されるようになって、10年近く経った。これまでいろいろなところでお話しさせていただき、また各種媒体で執筆も行ってきた。途中、東北大学大学院 歯科保存学分野にてMTA についての研究にも従事した。そのようななか、MTA はいまだ進歩を続けている分野ではあるが、そろそろこれまでを総括したいと思っていた。
 そのタイミングで執筆したのが、月刊デンタルダイヤモンド2022年5月号・誌上テーブルクリニック「MTA のポテンシャルを活かす基礎とテクニック」であった。これは、日本歯科保存学会2021年度秋季学術大会「シンポジウムⅡ」にて講演した「MTA を知ろう!使おう‼️」の内容をベースとして執筆依頼を受けたものであり、まだMTA に馴染みの薄い・使っていない先生を想定し、MTA を使ってもらうための基本をなるべくシンプルにまとめ、実臨床に導入してもらおうというのが狙いであった。それが好評であったとのことで、書籍としてまとめることとなった。
 月刊誌に掲載した内容を「Chapter 1ベーシック」として加筆・修正し、さらにMTA の適応症ごとにまとめた「Chapter 2テクニック」を追加し、基礎から臨床までをカバーしつつもシンプルで読みやすい内容となるようまとめた。本書のコンセプトは「読んで、すぐに応用できる」である。なお、「Chapter 2テクニック」では、東京医科歯科大学 歯髄生物学分野の同期・同窓かつ歯内療法症例検討会主宰メンバーでもある4名の先生にも参加いただいた。
 現時点での最新の知見を取り込みつつ、臨床応用に直結した内容になったと自負している。しかしながら、MTA についての情報はどんどんアップデートされている。ぜひ、最新情報にも目を向けつつ、本書を参考にMTA の臨床応用を実践していただきたい。

2023年9月
須藤 享

CONTENTS

編著者略歴

須藤 享(すどう すすむ)

1995年 横浜国立大学 工学部 卒業
1997年 横浜国立大学大学院 工学研究科 修了
2007年 東京医科歯科大学 歯学部 卒業
2010年 東京医科歯科大学 歯髄生物学分野 専攻生 修了
2012年 医療法人くすのき 南光台歯科医院 開設
2020年 東北大学大学院 歯科保存学分野 修了
2020年 東北大学大学院 歯科保存学分野 非常勤講師
現在に至る

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【所属学会】
歯内療法症例検討会
日本歯科保存学会
日本歯内療法学会