子どもの咬合を考える会 第26回特別講演会開催される

 子どもの咬合を考える会 第26回特別講演会(大会長:小石 剛氏・大阪府開業)が、4月23日㈰、京都テルサ テルサホール(京都府京都市)において開催された(参加者:約750名)。「不正咬合は予防できる」を大会テーマに据え、メイン講師として丸茂義二氏(日本歯科大学名誉教授)が招かれた。
 丸茂氏は、「歯突起と舌骨が語る口腔機能」と題し、舌骨・舌複合体は全身の筋格(骨格とは異なる丸茂氏が提唱する新概念)の頂点にいて、司令塔の役目を担っているとして、口腔機能とかかわる舌骨の位置の重要性について持論を展開した。
 骨が完成している成人の抗重力支持は骨格が担っているのに対して、新生児の抗重力支持は筋肉が担っているため、その後の成長発育を考えたときに、筋肉を適正に育てられるかが重要であると指摘。とくに、乳児は背中を平らにして寝て手足をバタバタ動かすことで、股関節や体幹の回旋筋育成が図れ、それがひいては口腔機能や脳の発達にも関係するため、乳児を身動きがとれない状態にするような育児法に強く警鐘を鳴らした。
 その他にも、正常な呼吸を診断する要点やいわゆる「お口ぽかん」への対応、発達障害についての見解などを、症例を交えて解説した。

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