日本臨床歯科学会第7回学術大会・総会開催される

 9月23日㈷、日本臨床歯科学会第7回学術大会・総会(理事長・大会長:山﨑長郎氏・東京都開業)が御茶ノ水ソラシティ(東京都千代田区)およびWeb上にて開催され、理事長講演と教育講演のほか、8題の研究・臨床発表が行われた(参加者:約570名)。

理事長講演

 理事長講演では山﨑氏が「気道を考慮した新たなる補綴治療の視点~新しいマージン設定コンセプト(MTAP)〜」と題して登壇。これまでの補綴治療の潮流を振り返りつつ、“気道の確保”という補綴治療の新たな視点から、舌房を確保することにより睡眠時無呼吸症候群が改善した症例などを供覧した。

研究発表

 研究発表では、山口文誉氏(神奈川県開業)が「日本人歯科受診者の2018年AAP/EFP歯周炎新分類による歯周炎の有病率と重度歯周炎患者(ステージⅢ・Ⅳ)の割合に関する多施設共同断面研究」と題して登壇。歯科医院に来院する初診患者の歯周炎の有病率は高く、なかでもステージⅢ、Ⅳの割合が高いことを示唆した。

臨床発表

 臨床発表では吉田茂治氏(埼玉県開業)が「歯列狭窄をともなう閉塞性睡眠時無呼吸患者へ行った咬合再構成の一例」と題して登壇。舌房を阻害しない補綴設計および口腔内装置により気道を確保し、閉塞性睡眠時無呼吸症が改善した症例を供覧した。また、気道に関連した問題は、逆流性食道炎など口腔に関連した疾患もあるため、歯科医院においても歯列矯正や栄養相談などの各種対応が求められると述べた。

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