日本歯科衛生学会第17回学術大会開催される

 日本歯科衛生学会第17回学術大会(大会長:河野美枝子氏・徳島県歯科衛生士会会長)が、9月18日㈰〜10月31日㈪の間、Web開催(オンデマンド配信)されました。「ポストコロナ時代の口腔衛生管理―口腔から支える健康長寿―」をテーマに、教育講演をはじめとする多彩なプログラムが組まれました。

教育講演1「なぜ、今、口腔がん検診か?―口腔がん・口腔粘膜疾患の診かた・見つけかた―」

 教育講演1では、「なぜ、今、口腔がん検診か?―口腔がん・口腔粘膜疾患の診かた・見つけかた―」と題して宮本洋二氏(徳島大学大学院 医歯薬学研究部)が登壇し、口腔がんの特徴や検診の手順を解説。口腔がんは全がんの1〜3%ではあるものの近年増加傾向にあるとし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で口腔がんの検査を受けられる機会が減っているため、口腔内を見る機会の多い歯科衛生士が来院した患者の粘膜まで観察し、早い段階で口腔がんを見つけてほしいと訴えました。

シンポジウム「ポストコロナ時代の口腔健康管理―糖尿病改善へのアプローチ―」

 シンポジウム「ポストコロナ時代の口腔健康管理―糖尿病改善へのアプローチ―」では4名が登壇。松山美和氏(徳島大学大学院 医歯薬学研究部:写真中央)は、歯科医師の立場から新型コロナウイルス感染症・糖尿病・歯周病の関係性を解説。血糖コントロール不良の糖尿病患者は、新型コロナウイルス感染症が重症化しやすいため、歯科からできるアプローチとして歯周治療を徹底し、口腔健康管理を継続的に実施することが大切であると述べました。

 高石和子氏(川島病院歯科口腔外科:写真右)は、歯科衛生士の立場から、長期に継続受診している糖尿病患者の症例を紹介。患者自身の口腔に対する意識の向上が、継続した口腔健康管理に繋がると述べました。また、完治のない糖尿病と歯周病の状態を安定または改善させるためには、長期的な口腔健康管理を行える体制の構築、食べられる口の維持が大切であると強調。今後の取り組みへの意気込みを語りました。

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