第61回日本小児歯科学会大会開催される

 第61回日本小児歯科学会大会(大会長:故・藤原 卓氏:長大医、代理・福本 敏氏:九大歯)が、5月18日㈭、19日㈮、出島メッセ長崎(長崎県長崎市)で開催された(参加者:約800名)。大会テーマ「小児歯科の温故知新─未来の子どもたちのために─」のもと、教育講演や国際シンポジウムなど多彩なプログラムが組まれた。
 開会に先立ち、2022年に逝去した故・牧 憲司氏(九歯大)と、本大会の大会長であった故・藤原氏(長大医)の追悼講演が行われ、森川和政氏(岩医大)、星野倫範氏(明海大歯)が登壇し、故人を偲んだ。
 受賞記念講演では、大継將寿氏(阪大歯)が講演。全身疾患との関連性があるミュータンスレンサ球菌のCBP陽性株は、抗菌薬の応用によってもその病原性が消失しないことを述べた。およそ10人に1人がCBP陽性株を有しているため、小児期からの口腔衛生の実施が、う蝕だけでなく、全身疾患の予防にも繫がると紹介した。
 JSPP企画講演では、「MTAの開発と幼若永久歯(外傷歯)への応用」と題し、齊藤正人氏(北大歯)が登壇。水酸化カルシウム製剤は長期に用いる症例には向いておらず、幼若永久歯の歯内療法にはMTAが推奨されると解説した。
 その後、MTAを用いたパルプ・リバスクラリゼーションの症例を供覧し、長期にわたって根管に応用しても為害性のない、MTAを用いた本術式をぜひ知っておいてもらいたいと締め括った。

デンタルダイヤモンド 2023年7月号

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