Dd診断力てすと『多数の埋伏歯を伴う多発性顎骨囊胞』

吉田寿人 Hisato YOSHIDA
白銀陽一朗 Yoichiro SHIROGANE
吉村仁志 Hitoshi YOSHIMURA
福井大学学術研究院 医学系部門医学領域 感覚運動医学講座 歯科口腔外科学分野

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2023年2月号より、「多数の埋伏歯を伴う多発性顎骨囊胞」についてです。

図❶ 初診時の口腔内写真
図❷ 初診時のパノラマX線写真


患者14歳、女性
初診2019年8月
主訴多発性顎骨囊胞の精査
現病歴:2019年7月ごろより、オトガイ部の腫脹と疼痛および発熱を生じたため、近隣病院歯科口腔外科を受診した。臨床症状と各種検査により、顎骨囊胞の感染と診断され、切開排膿と抗菌薬投与による消炎処置が行われた。画像検査にて、多発性の顎骨囊胞と多数の埋伏歯が認められたため、精査加療を目的に紹介受診となった。
既往歴小児喘息、アトピー性皮膚炎
アレルギー歴:ダニ、ハウスダスト
家族歴父が喘息、C型肝炎
服用薬なし
現症:全身所見;体格は中等度で、栄養状態は良好であった。
口腔外所見;顔貌では眼間乖離が認められた。
口腔内所見;歯列不正との晩期残存がみられた(図1)。
画像検査所見パノラマX線検査にて、上顎の2ヵ所と下顎の4ヵ所に囊胞性病変がみられ、接する歯の位置異常が認められた。両側上顎骨では、囊胞性病変の上顎洞内への進展がみられ、左側下顎骨では、囊胞性病変による骨の膨隆が認められた。囊胞内部には、埋伏歯( )が認められた(図2)。胸部X線検査では、特記すべき異常はみられなかった。
臨床検査所見:血液検査では、特記すべき異常はみられなかった。

 Q 最も疑われる疾患名は?

① 多発性の含歯性囊胞
② 鎖骨頭蓋異形成症
③ ケルビズム
④ 基底細胞母斑症候群

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2023年2月号に掲載中!/

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