Contents
はじめに
本書は、SRP の“あるある”な悩みを抱えている歯科衛生士、若手の歯科医師、スタッフ教育中の院長先生の皆様に向けて、教科書には載っていない、学校では教えてくれない筆者の30年にわたる臨床の成果と経験、知識や技術を元にSRP の臨床力を上げ、歯周基本治療を成功に導けることを目的にわかりやすく執筆しています。歯科医院に一冊、さらに術者お一人に一冊、診療の合間にでもさっと目を通して活用していただけると幸いです。
2017年1月号より1年7ヵ月、「DHstyle」(デンタルダイヤモンド社)にて「な~みんの臨床力養成講座」を連載しました。その後、2022年1月号から2年間、「な~みんのSRP 養成講座」を連載し、SRP の悩みを丸ごと、診療室で質問に答えてもらえる、もしくは、片山塾のSRP セミナーを受講する雰囲気で解決できる内容にし、一冊にまとめあげました。
2019年に片山塾「歯周基本治療レベルアップセミナー」を主宰し、受講者から多くの質問が寄せられた内容をピックアップし、日本歯周病学会ガイドラインや筆者の経験を元に、臨床に基づく実感を知識や症例を交えて解答しました。
臨床歴30年を過ぎ、患者さんの変化を感じたときに意識していることは、“なぜ悪化したのか”、また、“なぜ改善したのか”、そして、“なぜよい経過なのか”と、些細なことにもつねに疑問をもち、デンタルX 線写真やプローブを使って技術力を振り返り、その場で患者さんにインタビューを繰り返し行ってきました。その経験値から、共通の問題点、解決策がみえてくることがあります。さらに、学術的なことを専門書で調べたり、専門分野に詳しい方から学び、筆者流の仮説をたてて対応することを継続しています。その結果、数え切れないほどある患者さんのストーリーをカルテ戸棚から一つずつ取り出し、連載を続けることができました。
斉田歯科医院における臨床は、16年目になりました。斎田寛之院長には、過不足のない治療の連携をはじめ、惜しみない資料を提供いただきました。筆者のライフステージにも変化が訪れ、高齢になった親の介護など、家族を支える生活で負担が増えるなか、デンタルダイヤモンド社の編集部の方々には温かく寄り添っていただき、ついに本書発刊の運びとなりました。また、多くの方々にご協力いただきました。皆様に心より感謝を申し上げるとともに、末永くお付き合いをお願いしたく存じます。
2024年11月
片山奈美
CONTENTS
片山奈美(かたやま なみ)
【略歴】
1992年 アポロ歯科衛生士専門学校 卒業
1992~1995年 目白若林歯科・歯周病研究所 勤務
1995~2020年 渋谷区・村松歯科 非常勤
2000〜2015年 公益社団法人埼玉県歯科衛生士会会員 地域歯科保健活動
2009年~現在 埼玉県・斉田歯科医院 非常勤を中心に
2019年~現在 片山塾(katayamajuku-nami)
歯周基本治療レベルアップセミナー 主宰
2020~2022年 中野区・アポロ歯科診療所 非常勤
2022年~現在 千代田区・塚原デンタルクリニック 非常勤
【認定資格】
2009年 日本臨床歯周病学会 認定歯科衛生士
2015年 日本歯周病学会 認定歯科衛生士
2022年 日本歯科医学振興機構臨床歯科麻酔 認定歯科衛生士
本のエッセンスは、書籍の「はじめに」や「刊行にあたって」に詰まっています。
この連載では、編集委員や著者が伝えたいことを端的にお届けするべく、おすすめ本の「はじめに」や「刊行にあたって」、「もくじ」をご紹介します。
今回は、『な~みんのSRP“あるある”お悩み解決講座』です。