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刊行にあたって
「日常歯科臨床に役立つ画像診断を学ぶよい本はありませんか?」と、近年、歯科開業医の先生方からよく尋ねられます。口内法を主とする単純X 線写真はデジタル化が進み、新規開業の先生方はほぼ100%デジタルX 線装置を導入し、歯科用コーンビームCT(以下、CBCT)は販売台数が23,000台を超え、歯科医院の3軒に1軒の割合でCBCT を導入している現在の状況から、このようなお尋ねは当然と思います。
とくにCBCT の普及に伴い、保存治療や埋伏歯の治療、口腔インプラントや顎関節治療を中心に、CT を日常歯科臨床に応用する先生方が増加の一途を辿っています。しかしながら、歯科臨床医が画像診断に関する基礎的な知識、正常解剖およびデジタルワークフローなどを基本から学べる本は乏しいのが現状でした。また、CBCT をお持ちの50代以上の開業医の先生方は、その多くが学生時代にCT の原理や特徴および読影を学ぶ機会が乏しい状況でした。そのような背景のもと、本増刊号が発刊されました。
本増刊号は、日常歯科臨床の画像診断をトレーニングするように、修復補綴、矯正、口腔インプラント治療へのデジタルワークフロー活用および保険診療まで幅広く学べる本です。本書の特徴は各領域のエキスパートの先生方に、簡潔にわかりやすくを念頭に、きれいな臨床画像や実態像および図や表を利用し、臨床画像や図を追うだけでも理解できるように執筆をお願いいたしました。
全国の開業医の先生方が本書を利用され、画像診断を有効活用し、安全で良質な歯科医療を国民に提供し、健康増進および福祉向上の一助になれば幸いです。
最後に丁寧な編集作業をしていただいたデンタルダイヤモンド編集部の野沢卓也氏と関係各位に、そして編者の要望を受け入れていただき、熱意をもって執筆いただいた先生方に深謝いたします。
2024 年8月
日本大学松戸歯学部 放射線学講座
金田 隆
CONTENTS
金田 隆(かねだ たかし)
1986 年 日本大学松戸歯学部卒業
1986 年 日本大学松戸歯学部放射線学講座助手
1993 年 日本大学松戸歯学部放射線学講座講師
1996 年 アメリカ合衆国ハーバード大学医学部
Massachusetts Eye and Ear Infirmary 放射線科研究員ならびにMassachusetts General Hospital 放射線科研究員
1999 年 日本大学松戸歯学部放射線学講座教授
現在に至る
歯科放射線専門医・指導医
村上秀明(むらかみ しゅうめい)
1988 年 大阪大学歯学部卒業
1992 年 大阪大学大学院歯学研究科博士課程修了
1997 年 文部省在外研究員(UCLA、コペンハーゲン大学)
2017 年 大阪大学大学院歯学研究科 歯科放射線学講座教授
現在に至る
日本歯科放射線学会 理事長
Oral Radiology Editor-in-Chief
森本泰宏(もりもと やすひろ)
1991 年 九州歯科大学卒業
1995 年 九州歯科大学大学院歯学研究科修了
九州歯科大学助手
1998 年 九州歯科大学講師
2003 年 九州歯科大学助教授
2006 年 九州歯科大学教授
現在に至る
歯科放射線専門医・指導医
第一種放射線取扱主任者
本のエッセンスは、書籍の「はじめに」や「刊行にあたって」に詰まっています。
この連載では、編集委員や著者が伝えたいことを端的にお届けするべく、おすすめ本の「はじめに」や「刊行にあたって」、「もくじ」をご紹介します。
今回は、『臨床に役立つ画像診断トレーニング』です。