Dd診断力てすと『口腔内全域に認められた難治性の粘膜炎』デンタルダイヤモンド 2024年6月号

Dd診断力てすと『口腔内全域に認められた難治性の粘膜炎』デンタルダイヤモンド 2024年6月号

池田哲也 Tetsuya IKEDA
杏林大学医学部付属病院 顎口腔外科
〒181-8611 東京都三鷹市新川6-20-2

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2024年6月号より、「口腔内全域に認められた難治性の粘膜炎」についてです。

ゼネラルデンタルカタログ

図❶ 初診から約4週間後の口腔内所見。両側頰粘膜に潰瘍と辺縁歯肉に糜爛を認める
図❶ 初診から約4週間後の口腔内所見。両側頰粘膜に潰瘍と辺縁歯肉に糜爛を認める(d:抜歯後)
図❷ 初診時のパノラマX線写真
図❷ 初診時のパノラマX線写真。周囲の骨吸収像を認める
図❸ 病理組織像と免疫染色。上皮直下および上皮内に浸潤するCD3 陽性細胞を認める
図❸ 病理組織像と免疫染色。上皮直下および上皮内に浸潤するCD3 陽性細胞を認める
患者:60歳、男性
主訴:口の中がヒリヒリ痛む。歯磨きの際に出血する。
既往歴:血液疾患のため1年半ほど前に入院加療を受けていたが、現在は寛解している。プレドニゾロン5㎎を内服している以外には処方薬はない。
現病歴:2ヵ月ほど前から口の中がヒリヒリして痛む。歯ブラシを当てるだけで出血、痛みがある。
口腔内所見:両側頰粘膜に潰瘍と上下左右の歯肉辺縁に糜爛を認め(図1)、著しい接触痛を訴えていた。プロービング時に上下左右の臼歯部から出血を認め、歯周ポケットは左上下大臼歯部で4㎜以上であった。
画像所見:パノラマX線写真ではに歯根周囲の骨吸収像を認めるが、その他にあきらかな異常所見はない(図2)。なお、は初診から1週間後に抜歯し、問題なく治癒が得られている(図1d)。
病理組織学的所見:左下顎歯肉頰移行部より採取した検体の病理組織像は、口腔粘膜上皮内に浸潤したT細胞(CD3陽性細胞)が上皮内に浸潤、上皮細胞を傷害し、粘膜炎を惹起していることが示唆される所見であった(図3)。
Q 最も疑われる疾患名は?

① 抗がん剤による口腔粘膜炎
② 扁平苔癬
③ 慢性GVHD

④ 尋常性天疱瘡

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2024年6月号に掲載中!/

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