刊行にあたって:しっかり学ぶ抜歯後の痛みと偶発症 口腔外科に強くなるエッセンスブック|本のエッセンス

本のエッセンスは、書籍の「はじめに」や「刊行にあたって」に詰まっています。
この連載では、編集委員や著者が伝えたいことを端的にお届けするべく、おすすめ本の「はじめに」や「刊行にあたって」、「もくじ」をご紹介します。
今回は、しっかり学ぶ抜歯後の痛みと偶発症 口腔外科に強くなるエッセンスブックです。

ゼネラルデンタルカタログ

刊行にあたって

 このたび、月刊デンタルダイヤモンドに連載された「徹底攻略!!  抜歯後疼痛」をベースにした書籍、『しっかり学ぶ抜歯後の痛みと偶発症─口腔外科に強くなるエッセンスブック』を刊行する運びとなりました。
 本書は、2024年1月号から1年間にわたり連載された内容をさらに発展させたもので、「抜歯後疼痛」をテーマに、歯科臨床における日常的かつ重要な課題について多角的な視点から深く掘り下げています。
 抜歯術は、歯科臨床の基本的小外科処置として広く行われていますが、時には術後に「強い痛み」「創部の併発症」「長期的な知覚神経障害(しびれ)」やその他の偶発症・併発症が生じ、対応に苦慮するケースがしばしばみられます。これらの症状が患者に「歯科医師の施術や管理のミス」であると誤解されることで、クレームやトラブルに繫がることも少なくありません。そのため、抜歯後疼痛に関連する問題を未然に防ぐためには、術後の疼痛や偶発症・併発症のメカニズムを正しく理解し、的確に対応する知識と技術が求められます。
 本書では、抜歯術における術後疼痛の原因や関連症状について、科学的根拠に基づいたメカニズムを解説するとともに、偶発症や併発症を最小限に抑えるための臨床テクニックを具体的に紹介しています。また、術後管理や患者対応のポイントも多角的な視点で掘り下げ、読者の臨床現場で役立つ知見を提供しています。
 本書が、歯科臨床医の皆様にとって、基本的な知識を振り返ると同時に新たな学びを得る契機となり、患者満足度の向上と臨床トラブルの予防に寄与する一助となれば幸いです。本書を日常臨床の“頼れるパートナー”としてお役立ていただければ望外の喜びです。
 最後になりますが、本書の刊行にあたり多大なお力添えをいただいたデンタルダイヤモンド社編集部の田村昭一氏にこの場を借りて深謝いたします。

2025年正月 自室にて
管野貴浩

CONTENTS



しっかり学ぶ抜歯後の痛みと偶発症 口腔外科に強くなるエッセンスブック
監修者略歴

管野貴浩(かんの たかひろ)

2001年 九州歯科大学歯学部卒業
2005年 九州歯科大学大学院修了
2005年 香川県立中央病院歯科口腔外科 後期研修医・医員
2006年 ドイツミュンヘン大学歯学部口腔顎顔面外科留学(AOCMF Fellow)
2007年 スイスベルン大学医学部頭蓋顎顔面外科留学(IBRA Fellow)
2008年 香川県立中央病院歯科口腔外科 医長
2012年 島根大学医学部附属病院歯科口腔外科 講師
2018年 島根大学医学部・大学院医学研究科歯科口腔外科学講座 准教授・診療科長
2020年 島根大学医学部・大学院医学研究科歯科口腔外科学講座 教授・診療科長
現在に至る

国際口腔顎顔面外科専門医(FIBCSOMS)、国際口腔顎顔面外科専門医認定機構(Chicago、IL)認定国際口腔がん・再建外科専門医(FIBCSOMS-ONC/RECON)・Senate・国際試験委員(Examination Panel)、AOCMF(Davos、Switzerland)、International Faculty、(公社)日本口腔外科学会 指導医・専門医・理事、(公社)日本顎顔面インプラント学会 指導医・専門医・理事、日本がん治療認定医(歯科口腔外科)・指導責任者、(NPO法人)日本口腔科学会 指導医・認定医・評議員、(一社)日本口腔腫瘍学会・口腔がん専門医・評議員、歯科医師臨床研修指導医、口腔顎顔面外傷学会 理事長、日本病院歯科口腔外科協議会 理事、日本顎顔面再建先進デジタルテクノロジー学会 評議員

しっかり学ぶ抜歯後の痛みと偶発症 口腔外科に強くなるエッセンスブック