Dd診断力てすと『左側下顎の歯肉腫脹』

小笠原健文 Takefumi OGASAWARA
町田市民病院 歯科・歯科口腔外科 〒194-0023 東京都町田市旭町2-15-41

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2022年10月号より、「左側下顎の歯肉腫脹」についてです。

図❶ 初診時の口腔内写真
図❷ 初診時のパノラマX線写真

      
図❸ 初診時の単純CT写真

患者:72歳、男性
主訴:左側下顎臼歯部歯肉の腫脹、疼痛
既往歴:喘息、高血圧症、脂質異常症にてザクラス®、ロスバスタチン®、トライコア®を服用中。
家族歴:特記事項なし
現病歴:約1ヵ月前より左下顎臼歯部の歯肉腫脹を自覚したが、疼痛軽度のためそのまま放置していた。2週間後も軽快せずかかりつけ歯科医院を受診し、X線写真にて左側下顎臼歯部に透過像を認めたため、精査、治療を目的に当科を紹介され、来院した。
現症
口腔外所見;顔貌左右対称。頸部リンパ節は蝕知しなかった。
口腔内所見;左側下顎臼歯部歯肉から頰粘膜に及ぶ40×35×25mm大、外向性、弾性軟、表面性状不整、易出血性の腫脹を認めた(図1)。
画像所見:パノラマX線写真では、左側下顎臼歯部から左側下顎枝上方へ至る、分葉状、比較的境界明瞭な骨吸収像を認めた(図2)。単純CT所見では左側下顎臼歯部に分葉状の境界明瞭な腫瘤を認め、腫瘍部分のCT値は42HUであり、充実性腫瘍の可能性が示唆された。下歯槽神経とは接触していなかった(図3)。

Q 最も疑われる疾患名は?

① エナメル上皮腫
② 下顎歯肉扁平上皮がん
③ 歯原性粘液腫
④ 歯原性角化囊胞

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2022年10月号に掲載中!/

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