Dd診断力てすと『口腔粘膜の多発性の血腫』

雨河茂樹 Shigeki AMEKAWA
市立池田病院 歯科口腔外科
 〒563-8510 大阪府池田市城南3-1-18

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2023年8月号より、「口腔粘膜の多発性の血腫」についてです。

ゼネラルデンタルカタログ


図❶ 初診時の口唇および口腔内写真。上唇周囲の紫斑と左舌の血腫を認める

図❷ 両側頰粘膜に血腫を認める

患者:80歳、男性
主訴:口腔内出血
現病歴:1日前から口腔内の出血を自覚したため、かかりつけ歯科を受診した。口腔出血および口腔粘膜に多発性の血腫を認めたため、精査加療目的に当科を紹介受診となった。
既往歴:間質性肺炎(プレドニン5mg、在宅酸素療法中)、高血圧症、2型糖尿病。
家族歴:母が脳梗塞
現症:全身所見;体格中等度。栄養状態良好。体温36.5℃。体重減少なし。
口腔外所見:上唇皮膚に紫斑(図1)、それ以外の体表に紫斑を認めず。
口腔内所見:両側頰粘膜、左側舌背、右側舌下面、口底粘膜、口蓋粘膜に大小不同な多発性の血腫を認めた(図2)。
血液検査結果:白血球数8,700/μL、赤血球数546×104/μL、血小板数9×103/μL、PT 12.0秒、PT(INR) 1.07、APTT 24.3秒、フィブリノゲン436mg/dL、アンチトロンビンIII 85%、FDP 13.3μg/mL、H. Pylori IgG抗体陽性。
骨髄検査結果:赤芽球や顆粒球系に異常なし、巨核球数正常、形態異常なし

Q 最も疑われる疾患名は?

① 急性骨髄性白血病(AML)
② 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
③ 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

④ 播種性血管内凝固症候群(DIC)

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2023年8月号に掲載中!/

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