4月20日㈭・21日㈮、第20回日本口腔ケア学会総会・学術大会(大会長:川又 均氏・獨協医科大学)が、一橋大学一橋講堂(東京都千代田区)において開催された(参加者:約950名)。
「口腔ケア 集合知の創造」を大会テーマに、口腔ケアの概念やシステム、手技、効果に関して、多職種による講演やシンポジウム、ワークショップなど多彩なプログラムが執り行われた。
基調講演「オーラルフレイル 〜早期発見と予防対策について〜」では、川口陽子氏(東医歯大名誉教授)が登壇。オーラルフレイルを未然に防ぐためには、口腔機能低下前の学齢期や成人期に正常な口腔機能について学習することが大切であると述べた。また、患者自らが口腔機能低下に気づくための方法を開発する必要があり、そのためにも多職種連携による情報共有が重要であると強調した。
シンポジウム1「多職種連携による地域包括ケア」では、医師・歯科医師・薬剤師ら4名が登壇。佐川敬一朗氏(栃木県開業)は、人生100年時代の口腔ケアには、歯科疾患の予防に加えて健康寿命延伸に欠かせない食べる機能の維持が重要になると強調。多職種で行う食事観察・評価であるミールラウンドの実践と、歯科に求められる役割を解説した。
併せて第3回国際口腔ケア学会総会・学術大会も催され、海外の僻地において栄養と衛生を支えるためにも口腔ケアが重要であることなど、幅広い知見が共有された。