第44回日本接着歯学会学術大会開催される【月刊デンタルダイヤモンド 2025年12月号掲載】

第44回日本接着歯学会学術大会開催される【月刊デンタルダイヤモンド 2025年12月号掲載】

 10月25日(土)、26日(日)、日本大学歯学部本館(東京都千代田区)において、第44回日本接着歯学会学術大会が開催された(大会長:小峰 太氏・日大歯)。テーマを「接着の今、そしてこれから~継往開来~」とし、接着歯学の歴史と未来を繫ぐ若手歯科医師を意識した講演やシンポジウムが組まれた(参加者:約300名)。
 シンポジウム2「直接か、間接か─接着歯学における修復法選択の分岐点─」では、保坂啓一氏(徳大歯)、宮地秀彦氏(京都府開業)、天川由美子氏(東京都開業)、北原信也氏(東京都開業)の4名が登壇した。なかでも宮地氏は、直接CR修復の価値を最大限に引き出すための考え方として、MIのコンセプトを体現し患者のQOLに貢献することや最適な修復法の選択、防湿の徹底と確実な接着処理、丁寧な仕上げ研磨を挙げ、これらが良好な長期予後を達成する要素であると述べた。
 シンポジウム5「若手歯科医師の挑戦と発信」では、髙江洲雄氏(福歯大)、南野卓也氏(大阪府開業)、畑山貴志氏(東京科学大)、柴崎 翔氏(日大歯)の4名が登壇し、症例報告を通して接着を活かした臨床例や新しい術式について述べた。なかでも南野氏は、Tooth wearについて、矯正治療やホワイトニング、接着修復治療を組み合わせ、審美性と機能性の双方を回復した症例を報告。質疑応答では、和やかな雰囲気のなか接着歯学の前向きな未来を予感させる活発な意見交換が行われた。

デンタルダイヤモンド 2025年12月号