本のエッセンス|刊行にあたって:歯科医療専門弁護士 小畑 真の歯科事件簿2 スタッフ・契約編

本のエッセンスは、書籍の「はじめに」や「刊行に寄せて」に詰まっています。
この連載では、編集委員や著者が伝えたいことを端的にお届けするべく、おすすめ本の「はじめに」や「刊行に寄せて」、「もくじ」をご紹介します。
今回は、『歯科医療専門弁護士 小畑 真の歯科事件簿2 スタッフ・契約編』です。

刊行にあたって

 本書を手に取っていただき、ありがとうございます。おかげさまで、前作『歯科医療専門弁護士 小畑真の歯科事件簿《患者・治療編》』は多くの方に手に取っていただきました。
 今回は第2弾として、スタッフとの関係や対外的な契約トラブルを中心に、すべて実際にご相談いただいた事例から、25 の“歯科医院トラブルあるある事例”をピックアップし(なぜか《患者・治療編》よりも1ケース増えました[笑])、前作と同様、法的視点から実践的な対処法やトラブル予防についてケースごとに4コマ漫画を掲載し、自分事としてイメージしやすい形で解説しています。
 今回も、月刊デンタルダイヤモンドで連載した内容をベースとしていますが、本書だけに書き下ろしたケース(CASE08・CASE16・CASE25)や新たに契約書のチェックリスト(p.087)を加えるなど、さらに充実した内容になっています。
 また、本書は、院長だけではなく、すべての歯科医療従事者に参考となる一冊に仕上がっていることに加えて、ほとんどの事例で、医科でも一般企業でも参考になる内容となっているのが特徴です。
 これまでいただいたご相談ケースをみていると、最近ではスタッフとの法律関係や対外的な契約については、間違った知識や慣習が原因でトラブル化しているケースが多くなっています。そのため、本書は、前作よりも耳が痛いと感じる人が多いかもしれません。
 本書で取り上げた“事件”は、職場環境を悪化させ、患者さんへの良質な医療の提供を妨げることに繫がりますし、スタッフの採用・定着にも影響を及ぼすなど、患者さんとのトラブル以上に大きな影響を及ぼしやすい傾向にあります。
 本書を通じて正しい知識を確認し、より働きやすく、よりよい医療を提供し続けられる歯科医院づくりの一助となれば幸いです。

2023 年5月
弁護士・歯科医師
小畑 真

 

CONTENTS

【著者略歴】

小畑 真(おばた まこと)

1998年北海道大学歯学部卒業。同年より医療法人仁友会日之出歯科真駒内診療所勤務。臨床を続けながら、2007年北海道大学大学院歯学研究科博士課程修了、2010年北海道大学法科大学院修了、2011年司法試験合格。2014年小畑法律事務所開所。2016年弁護士
法人小畑法律事務所を設立。
現在、東京、札幌、横浜にオフィスを構え、医療業界に特化した弁護士として活動。 講演やセミナー、執筆活動、学生教育、相談業務、法律顧問、医療裁判も多数対応。
弁護士(東京弁護士会所属)、歯科医師(歯学博士)、北海道大学・北海道医療大学・神奈川歯科大学客員教授。