刊行にあたって:続・日常臨床のレベルアップ&ヒント67選|本のエッセンス

刊行にあたって:続・日常臨床のレベルアップ&ヒント67選

本のエッセンスは、書籍の「はじめに」や「刊行にあたって」に詰まっています。
この連載では、編集委員や著者が伝えたいことを端的にお届けするべく、おすすめ本の「はじめに」や「刊行にあたって」、「もくじ」をご紹介します。
今回は、続・日常臨床のレベルアップ&ヒント67選です。

ゼネラルデンタルカタログ

刊行にあたって

 本書は、2015年に発刊した『日常臨床のレベルアップ&ヒント72』の追加続編です。発刊から10年が経過し、歯科における治療器具・器材や治療技術の進歩は目覚ましく、大きく様変わりしています。とくに、歯科用コーンビームCT(CBCT)、歯科用マイクロスコープ、CAD/CAMと口腔内スキャナーが、歯科の三種の神器といわれています。ここ10年で、これらの一部は保険収載されたこともあり、普及が進み、歯科治療は大きく進歩し、治療成績の向上が期待されています。
 わが国では2000年にCBCTが薬事承認され、当初はCBCT専用機でしたが、現在はCBCT複合機が主流となっています。たとえば、CBCT画像の読影はインプラント治療、歯内療法にとどまらず、歯周治療、口腔外科、補綴治療など、あらゆる専門分野で活用されています。日本顕微鏡歯科学会の会員数は、2025年3月6日現在、準会員も併せて2,160名に達していることから、その裾野の広がりを実感できます。実際、歯科用マイクロスコープは、歯内療法にとどまらず、いまや保存修復、補綴治療、歯周治療、口腔外科、インプラント治療、小児歯科など、ほぼすべての歯科治療に応用されています。CAD/CAMと口腔内スキャナーの普及により、印象採得、鋳造の時代から光学印象後、コンピュータによる支援を受けてデザインして製造する時代となりました。
 本書では前作と同様、日常臨床でよく行われる臨床手技を「コンポジットレジン修復」「歯内療法」「歯周治療」「クラウン・ブリッジ」「インプラント」「有床義歯」「外科手術」「小児歯科」「高齢者歯科」「トピックス」の10カテゴリー全67テーマを取り上げています。前作が基本的な臨床手技を中心に取り上げたのに対し、本書では最新技術を中心に取り上げ、アドバンス的な内容となっています。
 執筆は、各分野で注目されている先生方に依頼し、各先生方が創意工夫しているポイントや注意点といった、読者の先生方の臨床のヒントやレベルアップに繫がる“勘所”を端的にまとめていただきました。診療の合間などの隙間時間に本書を紐解くことで、短時間で診療の疑問が解決するような構成となっています。
 本書が前作とともに読者の先生方のスキルアップに繫がり、ひいては多くの患者さんのQOL向上に寄与できると考えております。ぜひ本書を、日常臨床のバイブルの1つに加え、明日からの診療にお役立ていただければ幸いです。
 最後に、ご多忙にもかかわらず快くご協力いただき、限られた紙面のなかで原稿をご執筆いただいた先生方に心より感謝申し上げます。

2025年3月吉日
北村和夫

CONTENTS



続・日常臨床のレベルアップ&ヒント67選

編集者プロフィール

北村和夫(きたむら かずお)

1986年 日本歯科大学歯学部 卒業
1990年 日本歯科大学歯学部大学院歯学研究科歯科臨床系 修了
2015年 日本歯科大学附属病院総合診療科 教授

日本歯科保存学会 専門医、指導医、理事
日本歯内療法学会 専門医、指導医、代議員
日本顕微鏡歯科学会 前代表理事(会長)、指導医
ジャパンオーラルヘルス学会 理事
日本歯学系学会協議会 理事
関東歯内療法学会 理事
米国歯内療法学会 準会員
日本小児歯科学会 会員 他

《おもな著書》
『マストオブ・イニシャルトリートメント』(デンタルダイヤモンド社,2018)・編著
『マストオブ・リトリートメント』(デンタルダイヤモンド社,2018)・編著
『器材・薬剤からみる歯内療法のすぐれモノ』(デンタルダイヤモンド社,2018)・共著
『外傷歯のみかたと対応』(医歯薬出版,2018)・監修
『口腔外科のレベルアップ&ヒント』(デンタルダイヤモンド社,2019)・共著
『マイクロデンティストリー YEARBOOK 2019』(クインテッセンス出版,2019)・編著
『マストオブ・エンドドンティックサージェリー』(デンタルダイヤモンド社,2019)・編著
『マイクロデンティストリー YEARBOOK 2020』(クインテッセンス出版,2020)・編著
『歯内療法のパラダイムシフト』(クインテッセンス出版,2020)・監著
『治癒に導くエンドの秘訣』(ヒョーロン・パブリッシャーズ,2020)・共著
『マストオブ・ディフィカルトケース』(デンタルダイヤモンド社,2020)・編著
『臨床現場で役に立つ“痛み”の教科書』(デンタルダイヤモンド社,2020)・共著
『マイクロデンティストリー YEARBOOK 2021』(クインテッセンス出版,2021)・編集
『エンド・マテリアルセレクション』(クインテッセンス出版,2021)・共著
『マストオブ・マイクロエンドドンティックス』(デンタルダイヤモンド社,2021)・編著
『日本歯科保存学会認定歯科衛生士テキスト』(口腔保健協会,2021)・共著
『歯内療法のレベルアップ! 最新マテリアル・ツールを活用した臨床テクニック』
(ヒョーロン・パブリッシャーズ,2021)・共著
『エンドドンティクス 第6版』(永末書店,2022)・共著
『マイクロデンティストリー YEARBOOK 2022』(クインテッセンス出版,2022)・編集
『私のお気に入りグッズ』(口腔保健協会,2022)・共著
『歯内療法の三種の神器 2023-2024』(デンタルダイヤモンド社,2022)・編著
『歯内療法Next Step 樋状根とRadix Entomolaris への対応
─日本人に多い解剖学的形態への臨床アプローチ』(ヒョーロン・パブリッシャーズ,2023)・共著
『歯科衛生学シリーズ 保存修復学・歯内療法学』(医歯薬出版,2023)・共著
『マイクロデンティストリー YEARBOOK 2023』(クインテッセンス出版,2023)・編著
『精密歯科治療 ここまできたか マイクロスコープいろいろ活用術』(デンタルダイヤモンド社,2023)・編著
『マイクロデンティストリー YEAR BOOK 2024』(クインテッセンス出版,2024)・編著
『歯内療法の三種の神器 2025-2026』(デンタルダイヤモンド社,2025)・編著
『歯内療法学 第6版』(医歯薬出版,2025)・共著

続・日常臨床のレベルアップ&ヒント67選