Dd診断力てすと『歯肉の潰瘍』

長谷剛志 Takashi HASE
公立能登総合病院 歯科口腔外科 〒926-0816 石川県七尾市藤橋町ア部6-4番地

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2023年1月号より、「歯肉の潰瘍」についてです。

図❶ 初診時の口腔内写真
図❷ 初診時のCT像


患者:83歳、男性
主訴:歯肉の潰瘍形成
現病歴:20XX年7月、左上顎大臼歯部の歯肉に潰瘍を認め、近在歯科医院を受診したところ、歯肉がんの疑いで精査加療目的にて当院紹介となった。
家族歴:特記事項なし
既往歴:慢性心不全、心房細動、高血圧、高尿酸血症、脂質異常症、2型糖尿病、逆流性食道炎、慢性関節リウマチ(RA)
内服薬:プラバスタチンNa錠5mg、ネキシウムカプセル20mg、アロプリノール錠100mg、リクシアナOD錠60mg、マグミット錠、テネリアOD錠20mg、プレドニゾロン錠1mg、サインバルタカプセル20mg、メトトレキサート(MTX)8mg
アレルギー:なし
現症:全身所見;体格は中肉中背(BMI:25)。栄養状態は良好。顔貌は左右対称。体温は36.6℃で全身倦怠感なし。他に頸部リンパ節の腫脹や全身他部位に皮膚症状などの異常は認めなかった。
口腔所見相当部の口蓋側歯肉に拇指頭大の潰瘍が認められ、当該部位の歯には軽度の動揺がみられた(図1)。
CT所見(上顎Plain+DynamicCT)歯槽部に骨溶解がみられる。口蓋側歯肉は陥凹しており、周囲に淡い造影効果が認められる(図2)。
臨床検査所見:白血球数 3,180/μL(好中球69.8%、好塩基球 0.3%、好酸球 1.3%、リンパ球 22.3%)、赤血球:343万/μL、血色素量 12.5g/dL、血小板 12.0万/μL、CRP 0.31mg/dL、SCC抗原 0.7ng/mL。

 Q 最も疑われる疾患名は?

① 骨吸収抑制薬関連顎骨壊死
② 扁平苔癬
③ EBV陽性皮膚粘膜潰瘍
④ 歯肉がん

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2023年1月号に掲載中!/

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