南川 勉 Tsutomu MINAMIKAWA
北播磨総合医療センター 口腔外科
〒675-1392 兵庫県小野市市場町926-250

図❶ 初診時の口腔内写真

図❷ 同、パノラマX線写真

図❸ 同、CT像

図❹ PET/CT写真

図❺ 病理組織写真(HE染色、20倍)。病変を構成する異型細胞は類骨形成を示す
患者:39歳、女性
初診:2020年4月
主訴:多数歯の抜歯依頼
現病歴:2020年3月ごろから右側下顎に歯肉腫脹を自覚したため、かかりつけ歯科医院を受診。同院にて右側下顎の歯肉腫脹以外にも口腔内全体に残根を多数認めたため、消炎および残根抜歯を目的に当科を紹介され受診。
既往歴・家族歴:特記事項なし
現症:
口腔外所見:右側下顎部に軽度腫脹を認め、左右非対称を呈していた。また、右側下口唇の軽度知覚鈍麻を認めていた。頸部および顎下部に腫大したリンパ節は触知しなかった。
口腔内所見:右側下顎大臼歯残根とその周囲に弾性硬、表面滑沢な歯肉腫脹を認めた(図❶)。
画像所見:パノラマX線写真を撮影したところ、右側下顎大臼歯部に辺縁不正な骨吸収像を認めた(図❷)。
初診時、歯性感染症による歯肉腫脹よりも腫瘍性病変を強く疑い、CT撮影を行った(図❸)。結果、右側下顎骨の不整な骨破壊とsunburst appearance様の骨膜反応を認めたため、下顎骨骨肉腫を第一に考え、PET/CT検査による全身検索(図❹)および病理組織検査を行った(図❺)。
初診:2020年4月
主訴:多数歯の抜歯依頼
現病歴:2020年3月ごろから右側下顎に歯肉腫脹を自覚したため、かかりつけ歯科医院を受診。同院にて右側下顎の歯肉腫脹以外にも口腔内全体に残根を多数認めたため、消炎および残根抜歯を目的に当科を紹介され受診。
既往歴・家族歴:特記事項なし
現症:
口腔外所見:右側下顎部に軽度腫脹を認め、左右非対称を呈していた。また、右側下口唇の軽度知覚鈍麻を認めていた。頸部および顎下部に腫大したリンパ節は触知しなかった。
口腔内所見:右側下顎大臼歯残根とその周囲に弾性硬、表面滑沢な歯肉腫脹を認めた(図❶)。
画像所見:パノラマX線写真を撮影したところ、右側下顎大臼歯部に辺縁不正な骨吸収像を認めた(図❷)。
初診時、歯性感染症による歯肉腫脹よりも腫瘍性病変を強く疑い、CT撮影を行った(図❸)。結果、右側下顎骨の不整な骨破壊とsunburst appearance様の骨膜反応を認めたため、下顎骨骨肉腫を第一に考え、PET/CT検査による全身検索(図❹)および病理組織検査を行った(図❺)。
Q 最も疑われる疾患名は?
① 歯性感染症
② 下顎歯肉がん
③ 転移性口腔腫瘍
④ 下顎骨原発骨肉腫