Dd診断力てすと『歯肉頬移行部の腫瘤』デンタルダイヤモンド 2022年01月号

湯本浩通 1)Takashi HASE 青田桂子 2)Keiko AOTA
二宮雅美 1)Masami NINOMIYA
1)徳島大学大学院医歯薬学研究部 歯周歯内治療学分野 2)同、口腔内科学分野


図❶ 初診時の口腔内写真

図❷ 同、検査画像

図❸ 腫瘤生検部の病理組織像


患者:61歳、男性
主訴頬側歯肉の腫瘤
現病歴に疼痛を認めたため、かかりつけ歯科を受診した。画像検査で根尖部透過像が大きいことや、2年前に歯根嚢胞の疑いも指摘されていたことから、精査・加療目的に本院へ紹介となった。
既往歴:大腸ポリープ(良性・2年前に手術)
現症頬側歯肉に腫瘤を認めた(図❶)。自発痛と圧痛は認めなかったが、打診痛と1度の動揺を認めた。また、頬側分岐部に12mmの歯周ポケットを認めた。
画像所見:デンタルX線写真では、根分岐部より根尖部に広がる透過像が認められた(図❷a)。CBCT像では、骨吸収は頬側皮質骨には及んでいなかった(図❷b)。
病理組織検査:確定診断のため、腫瘤部の病理組織検査を行った(図❸)。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 脂肪腫
歯根嚢胞
③ 歯根肉芽腫
④ 難治性根尖性歯周炎