有吉靖則 Ken OMURA
市立ひらかた病院歯科口腔外科
〒573-1013 大阪府枚方市禁野本町2-14-1

図❶ 初診時のパノラマX線写真

図❷ X線CT像(骨レベル像)

図❸ MRI像(冠状断)
患者:17歳、男性
主訴:左側下顎前歯部の精査依頼
既往歴:顎骨への外傷の既往はなく、その他に特記事項なし
現病歴:当科初診の1週間程前に、う蝕治療を目的に近医歯科を受診した。その際、パノラマX線写真にて左側下顎前歯部のX線透過像を指摘され、精査、加療目的に当科を紹介された。
現症:7⃣に遠心傾斜、3⃣には近心傾斜を認めたが、両歯ともに生活歯で、動揺、打診痛は認めなかった。下顎前歯部頬舌側ともに骨膨隆はなく、骨欠損は触知しなかった。
画像所見:パノラマX線写真にて、2⃣3⃣間に白線により囲まれた境界明瞭なX線透過像を認めた。隣接歯に歯根吸収は認めなかった(図❶)。X線CTでは、境界明瞭な腫瘤性病変として描出され、唇舌的膨隆は認めなかった(図❷)。MRIでは、T1強調像にて中間信号、T2強調像にて低信号に描出され、内部は不均一であった(図❸)。なお、10年ほど前に撮影されたパノラマX線写真では同透過像は認められなかった。
主訴:左側下顎前歯部の精査依頼
既往歴:顎骨への外傷の既往はなく、その他に特記事項なし
現病歴:当科初診の1週間程前に、う蝕治療を目的に近医歯科を受診した。その際、パノラマX線写真にて左側下顎前歯部のX線透過像を指摘され、精査、加療目的に当科を紹介された。
現症:7⃣に遠心傾斜、3⃣には近心傾斜を認めたが、両歯ともに生活歯で、動揺、打診痛は認めなかった。下顎前歯部頬舌側ともに骨膨隆はなく、骨欠損は触知しなかった。
画像所見:パノラマX線写真にて、2⃣3⃣間に白線により囲まれた境界明瞭なX線透過像を認めた。隣接歯に歯根吸収は認めなかった(図❶)。X線CTでは、境界明瞭な腫瘤性病変として描出され、唇舌的膨隆は認めなかった(図❷)。MRIでは、T1強調像にて中間信号、T2強調像にて低信号に描出され、内部は不均一であった(図❸)。なお、10年ほど前に撮影されたパノラマX線写真では同透過像は認められなかった。
Q 最も疑われる疾患名は?
① 歯原性角化嚢胞
② 類(表)皮嚢胞
③ 単純性骨嚢胞
④ 顎骨中心性がん