これはまず#8のKファイルが入る長さまで#10のKファイルを入れることで、根管内が少し拡大され、#8が最初の長さよりも数㎜先まで進みやすくなる方法です。これを繰り返すことで石灰化根管や湾曲根管なども#8、その後、#10で穿通しやすくなります。
注意点としては、#10のKファイルの側面に切削片が付着していない場合、根管壁が削れていないので#8を入れても先まで進まないことです。この場合、レッジや削片の圧搾などが考えられ、こまめな洗浄や潤滑剤の使用も考慮します。また、ファイルの先端には少し湾曲をつけて使用するとよいと思います。無事に穿通ができたらニッケル・チタンファイルなどでグライドパス形成、根管形成を行います。
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根管の穿通・根管形成は根管上部から根尖部へ進むクラウンダウンが基本になります。#10のファイルが進まないときは無理をせず上部を拡大し、また#8などを使用して先に進むかなどの確認をするとよいと思います。
石崎秀隆
●静岡県・きうち歯科医院/長崎大学大学院
医歯薬学総合研究科 歯周歯内治療学分野
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学術・経営・税務・法律など歯科医院での治療・経営に役立つQ&Aをご紹介いたします。今回は、月刊 デンタルダイヤモンド 2024年2月号より「石灰化根管や湾曲根管を穿通・根管形成するポイント」についてです。