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TopQ&A補綴 > コピーデンチャーの活用方法とメリット(2021年9月号)
Q&A
法律(2021年9月号)
Qコピーデンチャーの活用方法とメリット
●当院では義歯による治療が多いです。そこで、今後はコピーデンチャーを活用していきたいと思っているのですが、どのような活用方法がありますか。製作するメリットを含めて、教えてください。
── 東京都・R歯科医院
A
全部床義歯を使用している患者は、「痛い」「割れた」「ゆるい」「噛めない」などさまざまな訴えをもとに来院します。それらの不具合が、義歯床粘膜面の不適合や義歯床辺縁の厚み、長さなどの形態不良、不適切な義歯の人工歯接触状態や顎間関係などにより、義歯の滑走や転覆が引き起こされることで生じている場合は、義歯の形態や咬合を大きく改変する必要があります。
 その際に、現在使用中の義歯の改変にとりかかったはよいが、思うように改善しない、もしくは長年使用している慣れた義歯の形態や咬合が変わり、患者に受け入れてもらえないなどの状況に陥った場合、「前のほうがよかった。元に戻してくれ!」と言われたとしても、どうすることもできずに途方に暮れてしまいます。
 このような事態に備えて、コピーデンチャーを製作して治療用義歯として利用することをお勧めします。通法どおり、初めから治療用義歯を製作するよりも簡便かつ迅速に、そして安価に製作できます。加えて、慣れた義歯をもとに製作するため、患者にも受け入れられやすくなります。もしこの治療用義歯を改変後、患者に受け入れられなかったとしても、既存の義歯はそのままなので、患者とのトラブルを防げます。
 また、コピーデンチャーは治療用義歯として活用するだけでなく、咬合圧印象やダイナミック印象などの印象用トレーとして用いる方法にもたいへん実用的です(図1)。治療用義歯として修正が終了した義歯をトレーとし、義歯床粘膜面を流動性の高いウォッシュタイプの印象材を使用することにより、より顎堤粘膜と適合のよい印象採得が可能となります。咬合関係も治療用義歯にて適切な顎位を確認できていれば、印象採得と同時に咬合採得を行うことも可能となり、義歯製作工程の短縮に繋がります。
 「義歯の改変は必要ないが、新しい義歯を作りたい」という患者でも、既成義歯のコピーデンチャーを製作し、これをそのままトレーとして印象および咬合採得を行えば、かなり早く義歯完成まで到達できます。
 加えて、印象後にこのコピーデンチャーを預かることができれば、診断用義歯として活用できます。研究用模型では得られない床辺縁の形態や厚み、咬合平面や人工歯配列位置などの多くの情報が得られますので、歯科技工士にとっては新義歯製作に向けてたいへん作業がしやすくなります。
 その他の使用法として、無歯顎症例におけるインプラント埋入計画の立案、およびサージカルガイドをオーダーするためのCT撮影用ステントとしてよく活用されています(図2)。

図1 印象用トレーとして利用できるだけでなく、同時に咬合採得も行える
図1 印象用トレーとして利用できるだけでなく、同時に咬合採得も行える

図2 無歯顎症例におけるインプラント埋入計画の立案、およびサージカルガイドをオーダーするCT撮影用ステントとしてよく活用されている
図2 無歯顎症例におけるインプラント埋入計画の立案、およびサージカルガイドをオーダーするCT撮影用ステントとしてよく活用されている

林 宏暁・佐藤勝史
山形県・佐藤歯科医院 ラ・フランスオフィス

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