生態学的プラーク説

 Marshによって発表された、過剰に摂取された糖を口腔内常在菌が代謝して酸を産生することで、酸性環境下で生存可能なミュータンス菌やラクトバチルス菌の比率が高まり、口腔内の酸性化が進むことで最終的に脱灰が進み、 う蝕に至ってしまうという説である。従来のミュータンス菌などの特定の細菌がう蝕の原因であるという特異的プラーク仮説と異なり、現在ではう蝕にミュータンス菌が含まれないものも存在するという報告がある。あらゆる細菌がう蝕と関連しており、う蝕予防においては特定の細菌を減らすことではなく行動変容を促すことこそが本質である。

デンタルダイヤモンド
2024年1月号
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