直すもの間違ってませんか?

◉治療方法の概念
多くの患者が骨格異常となって発症したり、発育の障害を起こす。顎口腔系の機能は全身の骨格と関係があるが、とくに呼吸や咀嚼を始めとした舌骨の機能は、舌骨を取りまく環境によって舌骨の機能に大きな影響を与える。
もちろん舌が担当している口蓋部分の形態異常もあるが、それは骨格治療ではない。あくまでも舌骨を取りまく骨格環境を考えてみる必要がある。舌骨は喉頭や気管などとともにホームポジションにあって、この位置を変えることは基本的にできない。あくまでも舌骨に繫がる筋肉や靱帯の緊張が変化したり、舌の対応する口蓋の位置が遠くに行ったり、過剰に近接して異常が始まってしまう。
舌骨を上げるにはどうしたらよいかと考え、舌を前に出すように訓練しようと頑張っても、舌骨の位置を変えることは却って他の機能の障害を引き起こす。骨格的に広い視野でみると、いかに舌骨を取りまく環境が悪化したことにより舌骨が働けなくなったかがわかる。それは舌骨というより、舌骨の子分である舌自身の環境の悪化であるともいえる。
◉何を直すのか
aは頭蓋後転で口蓋が舌より遠のいたことを示す。これは二次的に口蓋の変形や歯列の狭窄を引き起こすため、口蓋を下げるだけでは足りないのであるが、舌を上げることは絶対にできないので、口蓋を下ろす装置が必要である。この装置なしでは、「寄りかかり姿勢」で舌と口蓋の距離を縮めようとする不良姿勢になってしまう。bは頭蓋の前転で、口蓋が舌を押し潰している状態であって、吸啜期のときしか許されない。この場合、原因除去としての歩行をさせることによって頭蓋の前転を防がなければならないが、歯科にとってその因果関係を理解することは難しい。発達障害では頭蓋の前転なしに、この口蓋の低位が起こるため、対応は本文を参照されたい。c、dは顎位を示すが、本質的には下顎の顎位ではなく、上顎の頭位について対応するのが正解である。
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