第34回日本有病者歯科医療学会総会・学術大会(大会長:山口秀紀氏・日大松戸)が、3月14日(金)〜16日(日)、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都千代田区)において、「新しい絆の構築」をテーマに、現地とWebのハイブリッド形式で開催された(参加者:約1,200名)。
特別講演1では、小畑 真氏(弁護士法人小畑法律事務所:写真)が、「法的・医学的視点から患者説明の最適解を探る」と題して登壇。診療契約を法的観点から整理し、実際の判例を示しながら、処置の頻度と重要度の視点をもって患者説明する重要性を強調した。また、有病者に対しては、必要十分な同意書をとり、家族と情報共有することがポイントだと述べた。
教育講演2では、宮脇卓也氏(岡大院医歯薬)が「有病者歯科での静脈内鎮静法の再考」と題し、歯科麻酔専門医の立場より、全身麻酔と比較した静脈内鎮静法の安全性を解説した。そのうえで、静脈内鎮静法では期せずして深鎮静にならないように麻酔担当医協力して行うことが大切だと説明した。
特別講演2では、落合邦康氏(日本大学名誉教授)が「口腔感染症研究から見た歯科医療の昨日,今日,あした」と題して登壇。口腔細菌学研究の歴史を紐解き、今日の「歯周病と全身疾患の関係性」に至るまでの重要な研究を示した。そして、自身の研究を振り返り、これから重要視されるであろう「口腔と終末医療」について、とくに延命治療の意思表示と口腔を絡めて私見を述べた。
第34回日本有病者歯科医療学会総会・学術大会開催される【月刊デンタルダイヤモンド 2025年5月号掲載】
