中松耕治 Koji NAKAMATSU
飯塚病院 歯科口腔外科 〒820-8505 福岡県飯塚市芳雄町3-83
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図❶ 初診時の口腔内写真
患者:44歳、女性
主訴:舌のぴりぴり感
現病歴:4ヵ月前から舌尖が温冷食品に敏感になった。少しずつ範囲が広がり、左下唇から頬表面や舌がスースーするようになった。1ヵ月前から舌がぴりぴりして痺れたような感覚があるため、精査を希望し当科を受診した。
既往歴:IgA腎症、29歳時に扁桃摘出パルス治療、鉄欠乏性貧血内服治療後。
家族歴、生活歴:とくになし
現症:体格中等度、栄養状態良好。舌背には白色舌苔を認めるが、びらんや潰瘍、硬結、白斑などはなし(図❶)。漿液性の唾液流出は良好で、乾燥所見を認めず。舌尖部のチクチク・ぴりぴり感の強度はNRS 3/10で、夕方以降に強くなる傾向があった。味覚異常やアロディニアはなく、家庭内や職場でとくにストレス要因はなかった。
臨床検査所見:WBC 6,480/μL、RBC 456万/μL、Hgb 12.2g/dL、PLT 23.9万/μL。生化学検査 BUN22mg/dL、CRE 1.50mg/dL、eGFR 31.3と中等度の腎障害を認めた。
舌背部、頬粘膜からの綿棒擦過によるカンジダ培養検査を行ったが陰性であった。
診断:舌痛症
経過:舌に重大な器質的異常はみられないことを説明のうえ、アズレン含嗽剤と漢方薬(立効散®)を処方し、経過観察を行うこととした。
2週間後、ぴりぴり感は軽減したが左舌縁部から舌尖部の感覚の痺れ感が強くなり、洗顔時に左顔面が冷たさを感じにくいという訴えがあった。
主訴:舌のぴりぴり感
現病歴:4ヵ月前から舌尖が温冷食品に敏感になった。少しずつ範囲が広がり、左下唇から頬表面や舌がスースーするようになった。1ヵ月前から舌がぴりぴりして痺れたような感覚があるため、精査を希望し当科を受診した。
既往歴:IgA腎症、29歳時に扁桃摘出パルス治療、鉄欠乏性貧血内服治療後。
家族歴、生活歴:とくになし
現症:体格中等度、栄養状態良好。舌背には白色舌苔を認めるが、びらんや潰瘍、硬結、白斑などはなし(図❶)。漿液性の唾液流出は良好で、乾燥所見を認めず。舌尖部のチクチク・ぴりぴり感の強度はNRS 3/10で、夕方以降に強くなる傾向があった。味覚異常やアロディニアはなく、家庭内や職場でとくにストレス要因はなかった。
臨床検査所見:WBC 6,480/μL、RBC 456万/μL、Hgb 12.2g/dL、PLT 23.9万/μL。生化学検査 BUN22mg/dL、CRE 1.50mg/dL、eGFR 31.3と中等度の腎障害を認めた。
舌背部、頬粘膜からの綿棒擦過によるカンジダ培養検査を行ったが陰性であった。
診断:舌痛症
経過:舌に重大な器質的異常はみられないことを説明のうえ、アズレン含嗽剤と漢方薬(立効散®)を処方し、経過観察を行うこととした。
2週間後、ぴりぴり感は軽減したが左舌縁部から舌尖部の感覚の痺れ感が強くなり、洗顔時に左顔面が冷たさを感じにくいという訴えがあった。
Q 最も疑われる疾患名は?
① 舌痛症
② 三叉神経痛
③ 脳腫瘍
④ 非定型顔面痛