刊行にあたって：MID-G型歯科クリニックの創り方　Build the MID-G style clinic｜本のエッセンス

刊行にあたって

MID-Gとの出会い
　2022年よりMID-G代表理事を務めている栗林です。私が代表理事になるにあたり、MID-Gのコンセプトを新しくしました。それは「医院を創り、医療を創り、国民の健康を創るMID-G」というものです。歯科医療はメタボリックドミノの上流に位置しているという考え方があります。私たちがよい医療を提供することは、国民の健康に繫がっているのです。
　では、そのためには何をしたらよいのでしょうか。上質な医療を提供するためには、「医療」そのものをアップデートしていく必要があります。デジタルデンティストリーに代表されるように、歯科医療の現場は大きな改革が始まっており、その改革をしっかりと自分たちのものにしていく必要があります。そして何よりも、正しい医院運営ができていないクリニックが上質な医療を提供できないことを認識すべきでしょう。
　MID-G役員の歯科医院のなかには、スタッフによる窃盗があったクリニック、早く帰りたいからと勝手にアポイント操作をしているクリニックもありました。そのようなクリニックでは、上質な医療を提供することは決してできません。したがって、国民の健康を創るためには、まず歯科医院運営が適切に行われる必要があるのです。
　私自身、勤務医時代にスタッフが定着しない、来院患者数が伸び悩むなど、クリニック創りにとても悩んでいました。どの先生方もきっと通る道ではないでしょうか。そのようなときに、ニューヨーク大学CDEプログラム中、現MID-G最高顧問の荒井昌海先生と出会うことができました。海外研修中に荒井先生からプライベートレクチャーを受けて、私の医院創りは大きく変わり、開業時には理想どおりのスタートダッシュをすることができました。また、これが私とMID-Gとの出会いでした。

afterコロナの歯科医院創り
　コロナ禍も収束に向かい、afterコロナの動きが活発になってきています。デジタル化の流れも加速の一途にあります。そのような時代背景もあってか、かつての私や現役員のように医院創りに悩まれている先生方の声をたくさん聞くようになりました。そこで、これからの歯科医院創りで1つの指標を創ることができれば、多くの先生方の助けになるのではないかと考え、MID-G役員を対象とした医院創りについてのアンケートを実施しました。すると驚いたことに、程度の差はあれど、すべての役員の医院創りの方向性が同じだったのです。
　そして、これらを1冊にまとめることで、1人でも多くの院長の助けになりたいと思いました。本書が役員の動向を数値化し、これからの歯科医院創りの1つの指標となることでしょう。ともに、医院を創り、医療を創り、国民の健康を創っていけたら幸いです。

2024年8月
千葉県・栗林歯科医院
MID-G代表理事
栗林研治

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