Contents
はじめに
「キミは歯科衛生士に向いていないね」と歯科衛生士学校の実習先で言われた私でしたが、気がつけば歯科衛生士を30年以上続けています。歯科衛生士は、生涯にわたって人々の健康に貢献できる価値の高い職業であると日々実感しています。しかし、歯科衛生士の離職率は高く、歯科衛生士としてのやりがいを実感できないままこの職を離れてしまう人が少なくないことを、とても残念に思っています。
かくいう私も、これまで順風満帆な歯科衛生士人生を送ってきたわけではありません。それでも長く続けることができたのは、これまでに出会った患者さんからたくさんの感謝の言葉をもらえたからだと思っています。患者さんから感謝の言葉をかけられるたびに、私の歯科衛生士魂がメラメラとどんどん燃え上がっていったように感じています。
歯科衛生士として技術を磨けば磨くほど、患者さんから評価されます。つねに知識を更新し続け、患者さんに健康情報を伝えることで、患者さんは歯の健康に目覚めていきます。こうしたやりがいを多くの歯科衛生士に発信したい、歯科衛生士の職業価値を共有したいという思いに駆られていたころ、デンタルダイヤモンド社のDHstyleで連載をする機会を得られ、この度こうして書籍という形にもできました。
本書を手に取られた歯科衛生士のなかには、歯科衛生士を続けることに迷いがあったり、歯科衛生士として自信がもてない方もいるかもしれません。あるいは、職場の環境に恵まれないと感じている歯科衛生士もいるでしょう。それでも、目の前の患者さんは私たち歯科衛生士を必要としており、何かできることがあるはずです。本書により、1人でも多くの歯科衛生士魂の灯をともすことができましたら幸いです。
最後に、日々歯科衛生士としてやりがいを感じられる臨床の場を与えてくださっている有田博一院長、サポートしてくれる有田歯科医院のスタッフに心から感謝申し上げます。
2022年9月
奥山洋実
CONTENTS
https://www.dental-diamond.co.jp/item/1090
奥山洋実(おくやま ひろみ)
1966年(昭和41)1月東京生まれ
1986年 太陽歯科衛生士学校卒業
田中歯科クリニック(埼玉県川口市)、日吉歯科診療所(山形県酒田市)などを経て
現在、有田歯科医院(東京都新宿区)に非常勤で従事する傍ら、全国の歯科医院に訪問し、歯科衛生士の研修を行っている。
スタディグループ奥山会 主宰
本のエッセンスは、書籍の「はじめに」や「刊行に寄せて」に詰まっています。
この連載では、編集委員や著者が伝えたいことを端的にお届けするべく、おすすめ本の「はじめに」や「刊行に寄せて」、「もくじ」をご紹介します。
今回は、『魂のハイジーンワーク』です。