武内保敏1) Yasutoshi TAKEUCHI 柳川 徹2) Toru YANAGAWA
1)水戸済生会総合病院 歯科口腔外科
2)茨城県立中央病院 歯科口腔外科
患者:40歳、女性
主訴:舌の下が腫れた。舌を動かすと痛い。
既往歴:特記事項なし
現病歴:数ヵ月前から右側舌下部の腫脹を自覚し、疼痛があるため近歯科医院を受診。右側口底部の腫瘤を指摘され、精査加療目的で当科紹介受診となった。
現症:口腔外所見;体温36.8℃、体格は痩せ型で、栄養状態は良好であった。顔貌は左右対称で、顎下リンパ節の病的腫大は認めなかった。
口腔内所見;右側口底粘膜は正常粘膜で、ワルトン管開口部からの唾液流出を認めた。口底粘膜下に弾性やや軟で可動性のある腫瘤を認めた(図1)。舌の知覚鈍麻や麻痺は認めなかった。
臨床検査所見:WBC7,500/μL、CRP0.02mg/dL、AMY88U/Lで正常範囲内。その他の臨床検査値に異常は認めなかった。
画像所見:造影CTでは、右側口底部にリング状の造影効果を伴った低吸収域を認めた(図2)。MRIでは20×15mm大の、境界がやや不明瞭な楕円形腫瘤を認め、内部不均一、T1強調像で低信号、T2強調像で不均一に高信号(図3)、拡散強調像で高信号を呈した。
① 口底膿瘍
② 舌下腺癌
③ 類皮囊胞
④ 神経鞘腫
\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2023年11月号に掲載中!/
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今回は2023年11月号より、「口底部の腫瘤」についてです。