山本俊郎 Toshiro YAMAMOTO
京都府立医科大学大学院 医学研究科 歯科口腔科学





(左:T1 強調画像、右:T2 強調画像)


患者:71歳、女性
主訴:口を開けると痛い
現病歴:約7年前から左側下顎大臼歯部に疼痛を認めたため、近歯科医院にて同部の抜歯術を受け、欠損補綴としてインプラント治療を行った。しかし、その後も同部の疼痛は持続し、非ステロイド性抗炎症薬の投与も奏効しなかった。
既往歴:なし
家族歴:母・白血病、姉・大腸癌
口腔外所見:最大開口量28mm、左側頰部に軽度の膨隆あり(図1)。皮膚や消化管に症状なし。口腔内所見:56部インプラント周囲に軽度発赤あり(図2)。
画像所見:パノラマX線写真では、左側下顎骨体部に骨硬化像、左側筋突起に骨膨隆、左側下顎インプラント埋入部に水平性の骨吸収を認めた(図3)。CT画像では、左側下顎骨体部および左側下顎枝部に骨硬化像と骨膨隆を認めた(図4)。MRIでは、左側下顎骨体部から下顎枝にかけてT1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号を認めた(図5)。骨シンチグラム画像検査(図6)と関節エコーから、胸助関節の炎症と第一肋骨遠位部の骨肥厚を認めた。
血液検査所見:軽度の炎症所見あり(表1)。
Q 最も疑われる疾患名は?

① 顎関節症
② 悪性腫瘍
③ 慢性化膿性下顎骨髄炎
④ 慢性非細菌性骨髄炎
⑤ 慢性再発性多発性骨髄炎
\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2025年3月号に掲載中!/
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月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2025年3月号より、「下顎の痛み」についてです。