令和5年度 日本臨床歯科補綴学会学術大会開催される

 令和5年度 日本臨床歯科補綴学会学術大会(大会長:浅野栄一朗氏・福島県開業)が8月6日㈰、東京国際フォーラム(東京都千代田区)において開催された(参加者:約200名)。
 「咬合が“健康長寿”の要」をメインテーマに、会員による教育講演6題、特別講演3題が組まれた。教育講演1「歯科技工士の現状と未来」では森野 隆氏(同学会副理事長/日本歯科技工士会会長)が登壇。歯科技工を取り巻く環境の変化と現状、未来のあるべき姿について語った。
 特別講演1「咬合が果たす役割の大きさ」では小出 馨氏(同学会顧問/日歯大名誉教授)が登壇。“歯科だけができる咬合治療”として顎口腔系の機能、すなわち咀嚼、嚥下、顔貌や審美性、頭位や姿勢の維持、身体運動能力、脳機能の活性化等々、重要な機能との密接な関連性について詳細に解説した。
 特別講演2「咬合基本治療〜多様なスプリント療法の活用」では筒井照子氏(筒井塾主宰/福岡県開業)が登壇。態癖などによる炎症と力のコントロールに対するスプリント療法の効果について症例を交えて解説した。
 特別講演3「口から食べるための咬合・補綴治療〜咬頭嵌合位の安定」では本多正明氏(日本臨床歯科学会副理事長/大阪府開業)が登壇。顎口腔機能不全の患者に対する補綴学的に安定した咬頭嵌合位を確立することによる、歯根膜・粘膜・顎骨の中にある固有受容器への刺激が、オーラルフレイル予防に繫がる可能性について語った。

デンタルダイヤモンド 2023年9月号

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