門田 亮
●デンタル・マネジメント・コンサルティング
関連記事
▽月刊デンタルダイヤモンドのバックナンバーはこちら▽https://www.dental-diamond.co.jp/item/1147
https://www.dental-diamond.co.jp/list/103
▽Q&Aのバックナンバーはこちら▽
一度退職したスタッフを再び雇用する場合は、そのメリットとデメリットを十分考えておく必要があります。
1.再雇用する際の医院のメリット
再雇用する際の医院のメリットとしては、
①即戦力として活躍が期待できる。
②採用コストを抑えることができる。
③どのような人材かわかったうえで採用できる。
といった点が挙げられるでしょう。
ご質問によると、頼りになるスタッフだったということですので、1年ほどのブランクであれば院内業務にも対応できるのではないでしょうか。業務の仕組みや方法についてよく理解できているので、即戦力として医院に貢献してもらえることを期待できる点が一番のメリットでしょう。
また、現在、スタッフを募集する状況であれば、新たに求人を出す必要がなくなることから、募集広告費用や紹介派遣コスト、あるいは教育コストなどを削減できます。新規に採用を行う場合、定着するスタッフが見つかるまでに何人が入退職を繰り返すことがありますから、そのつどかかる費用を考えると非常に助かるでしょう。
さらに、どのような人材か知っているという安心感があります。どのように接すればよいかがわかる一方、再雇用を希望するスタッフも職場の雰囲気に合うのだろうかという不安が少ないでしょう。院内の雰囲気を予測して採用できる点はメリットです。
2.再雇用する際の医院のデメリット
再雇用する際の医院のデメリットとしては、
①最近、入職した新たなスタッフとの人間関係をうまく築くことができるか。
②院内のポジションをどうするか。
③給与などの待遇をどうするか。
などが挙げられます。
退職後に入職したスタッフとは新たに良好な人間関係を構築してもらう必要があります。以前に勤務していたからと先輩風を吹かすことがないように、謙虚な姿勢で勤務してもらうよう、採用面接時には十分に話すようにしてください。
さらに、院内のポジションをどうするかを考えておく必要があります。院内の仕組みや業務のやり方は、再雇用しようとするスタッフのほうがよく理解しているかもしれません。しかし、離れている間に新たなスタッフがリーダーなどの役割を担って中心的なスタッフに成長しているのであれば、そのなかで、どのような位置づけで業務に携わってもらうのかを明確に説明することが大切です。
そして、最も注意を払う必要があることとして、給与の問題があります。いま在籍するスタッフとの給与体系のバランスをどのようにとるかという一方で、再雇用するスタッフも納得できる金額を提示できるかがポイントです。給与の問題はお互いのモチベーションに直結するため、給与や手当などの提示は慎重に行うようにしてください。
●
思うように採用活動が進まない現状においては、再雇用を検討してもよいと思います。ただし、院長に相談すれば再雇用してもらえると安易に考えることがないように、過去の退職理由によって再雇用を認めるか否かの基準を決めたうえで、給与体系を整理して院内規定を準備するなどの体制づくりも考えてください。
門田 亮
●デンタル・マネジメント・コンサルティング
▽月刊デンタルダイヤモンドのバックナンバーはこちら▽https://www.dental-diamond.co.jp/item/1147
https://www.dental-diamond.co.jp/list/103
▽Q&Aのバックナンバーはこちら▽
https://dental-diamond.jp/qanda.html
記事、写真、表、イラスト、グラフ、動画、音声など、デンタルダイヤモンド社の発行物および各サイトで提供されるあらゆる形のコンテンツの著作権は、デンタルダイヤモンド社または、執筆者など正当な権利を持つ第三者に帰属しています。著作権法で、許諾無く利用できることが認められている場合を除き、コンテンツの一部または全部を無断で複製、公衆送信、翻案するといった利用はできません。
学術・経営・税務・法律など歯科医院での治療・経営に役立つQ&Aをご紹介いたします。今回は、月刊 デンタルダイヤモンド 2023年8月号より「再雇用を希望するスタッフへの対応」についてです。