Dd診断力てすと『上唇粘膜の潰瘍性病変』デンタルダイヤモンド 2020年7月号

武内保敏
Yasutoshi TAKEUCHI
水戸済生会総合病院 歯科・口腔外科
〒311-4198 茨城県水戸市双葉台3-3-10


図❶ 表面不整な潰瘍性病変を認めた


患者:80歳、女性
主訴:上唇の口内炎と痛み
既往歴:関節リウマチ、骨粗鬆症、左人工股関節術後、脂質異常症
現病歴:初診の1ヵ月前に近歯科医院でを歯周炎にて抜歯した。その後、右側上唇粘膜から上顎歯肉に疼痛を自覚し、再度歯科医院を受診した。上顎義歯は使用しておらず、右側下顎前歯部歯牙による褥瘡との診断で軟膏処方にて経過をみるも、症状が変わらないため精査加療目的で当科紹介受診した。
現症:全身所見:発熱なし。体格は小柄。
口腔内所見:右側上顎歯肉から上唇粘膜にかけて接触痛を伴い、表面不整で一部壊死を伴う境界明瞭な潰瘍性病変を認めた(図❶)。
口腔外所見:両側頸部リンパ節の病的腫大は認めなかった。
X線所見:抜歯窩周囲の病的な骨吸収像はなかった。
生活歴:喫煙、飲酒なし 常用薬:メトトレキサート(MTX/8年前から内服)、プレドニン、プログラフ、セレコックス、リリカ、セレキノン、リバロ、フォリアミン、フェブリク、レンドルミン
臨床検査所見:WBC5,500/μL、RBC383×104/μL、Hb11.8g/dL、MCV93.7fL、MCH30.8pg、MCHC32.9%、PLT24.3×104/μL、AST39U/L、ALT25U/L、LDH261U/L、BUN22.1mg/dL、CRE1.01mg/dL、eGFR40.3、CRP3.05mg/dL、Na137.7mmol/L、K4.3 mmol/L、Cl104.3 mmol/L

Q 最も疑われる疾患名は?

① 顎骨壊死
口腔扁平上皮がん
③ 褥瘡性潰瘍

悪性リンパ腫