丸川浩平 Kohei MARUKAWA
独立行政法人国立病院機構金沢医療センター 歯科口腔外科
〒920-8650 石川県金沢市下石引町1-1

図❶ 左側下顎臼歯部顎堤に、骨露出を認める

図❷ 骨露出部に隣接する頬粘膜に、潰瘍性病変を認める
患者:63歳、男性
主訴:左側頬粘膜の疼痛
既往歴:関節リウマチ(RA)、高脂血症
現病歴:RAにて過去にステロイド内服、5年前よりメトトレキサート(MTX)を内服中。また、ビスホスホネート薬を数年間内服後、3年前よりデノスマブの皮下注射を開始。近医歯科にて左側下顎臼歯部を抜歯後、経過異常のため当科受診した。同部顎堤に骨露出を認め(図❶)、下顎骨壊死(いわゆるARONJ)と診断し、デノスマブを休薬したうえで、経過観察とした。1年半の間、ほとんど痛みなく経過していたが、今回、左側頬粘膜に強い痛みを急に自覚した。
全身所見:体格中等度、栄養状態良好。
口腔外所見:特記すべき所見なし。
口腔内所見:骨露出部に隣接する頬粘膜に潰瘍性病変を認め、強い接触痛を伴い、急速な拡大傾向がみられた(図❷)。
画像所見:CTで顎骨壊死に一致した変化をみる他に、特記すべき所見なし。
主訴:左側頬粘膜の疼痛
既往歴:関節リウマチ(RA)、高脂血症
現病歴:RAにて過去にステロイド内服、5年前よりメトトレキサート(MTX)を内服中。また、ビスホスホネート薬を数年間内服後、3年前よりデノスマブの皮下注射を開始。近医歯科にて左側下顎臼歯部を抜歯後、経過異常のため当科受診した。同部顎堤に骨露出を認め(図❶)、下顎骨壊死(いわゆるARONJ)と診断し、デノスマブを休薬したうえで、経過観察とした。1年半の間、ほとんど痛みなく経過していたが、今回、左側頬粘膜に強い痛みを急に自覚した。
全身所見:体格中等度、栄養状態良好。
口腔外所見:特記すべき所見なし。
口腔内所見:骨露出部に隣接する頬粘膜に潰瘍性病変を認め、強い接触痛を伴い、急速な拡大傾向がみられた(図❷)。
画像所見:CTで顎骨壊死に一致した変化をみる他に、特記すべき所見なし。
Q 最も疑われる疾患名は?
① 褥瘡性潰瘍
② 悪性リンパ腫
③ 扁平上皮がん