6月27日(金)〜29日(日)、幕張メッセおよびTKP東京ベイ幕張ホール(ともに千葉県千葉市)において、日本老年歯科医学会第36回学術大会(大会長:片倉 朗氏・東歯大)が開催された。今回は、7学会合同となる第34回老年医学会総会のうちの一つという立ち位置での開催となった。「口腔機能の維持・向上で老年学に貢献する~輝く100年を口とともに生きる~」を大会テーマに、さまざまプログラムが組まれた。
理事長講演では、「ともに生き、ともに創る:共生社会への老年歯科医学のかかわり」を演題に、平野浩彦氏(東京都健康長寿医療センター)が登壇。人生100年時代において、歯科の貢献は不可欠であるとし、“医療や福祉、地域団体と協力しながら、健康長寿の実現に向けた環境を整備する”そのプロセスが最も重要であると述べた。
シンポジウム5「認知症の緩和ケアと歯科の役割」では、平原 佐斗司氏(東京都開業)、三輪俊太氏(岐阜県開業)、田實 仁氏(鹿児島県開業)、加藤忠相氏((株)あおいけあ)の4名が登壇し、認知症患者に対する接し方や、「話す」「食べる」を支える、歯科ならではのアプローチについて解説した。
なかでも、座長を勤めた枝広あや子氏(東京都健康長寿医療センター研究所)が「認知症患者の治療における、最も基本的で最も重要な考え方」と評価した加藤氏の講演では、認知症患者を人生の大先輩として、その経験値を頼り、支え合う介護の形態を紹介した。
日本老年歯科医学会第36回学術大会開催される【月刊デンタルダイヤモンド 2025年8月号掲載】
