Dd診断力てすと『右下顎のびまん性腫脹』デンタルダイヤモンド 2020年09月号

患者：10歳、女性
主訴：右下顎の腫れ
既往歴・家族歴：とくになし
現病歴：バレーボールの練習中にチームメイトの肘が右下顎に当たり、同部位の腫れを自覚するようになった。約半年後、近医耳鼻科でインフルエンザの治療を受けたとき、主治医より右下顎腫脹を指摘され、紹介にて当科を受診した。
現症：
口腔外所見：右下顎にびまん性の腫脹を認めた。口唇の知覚鈍麻は認められなかった（図❶）。
口腔内所見：４３は萌出しておらず、Dを認め、５の近心傾斜を認めた（図❷）。
X線所見：パノラマX線写真では右下顎骨体に病変を認め、４３の埋伏を認めた（図❸）。また、CTでは病巣と周囲骨との境界は比較的明瞭であった（図❹）。
血液検査所見：アルカリフォスファターゼ835U/L（正常値：106～322）クレアチニンキナーゼ202U/L（正常値：41～153）とやや高値を示したが、その他、とくに異常は認められなかった。