2022年5月号 「軟口蓋の白斑と粗造感」
小村 健 Ken OMURA
総合東京病院 口腔外科 〒165-8906 東京都中野区江古田3-15-2
図1 初診時の口腔内写真
| 患者： | 64歳、男性 |
| 主訴： | 右側軟口蓋部の白斑と粗造感 |
| 既往歴： | 特記事項なし |
| 家族歴： | 特記事項なし |
| 生活歴： | 飲酒 ウイスキー１／３ボトル（日×30年）、喫煙 20本（日×35年） |
| 現病歴： | 初診５ヵ月前より右側軟口蓋部に粗造感を自覚し、かかりつけ歯科を受診した。右側軟口蓋に比較的均一な白斑が認められ、経過観察を行っていた。以後、自覚症状に変化はなかったが、初診１ヵ月前より白斑の一部に紅斑が混在するようになったため、精査・加療目的に紹介受診した。 |
| 現症： | 体格中等度、栄養状態は良好。右側軟口蓋から前口蓋弓上部にかけて、2.5×1.5cm大の一部に紅斑を伴うやや隆起する白斑を認めた。白斑は擦過により除去できなかった（図１）。なお、顎下および頸部のリンパ節に腫大はなく、全身的にもあきらかな異常は認めなかった。 |
| 臨床検査所見： | 血液検査において、総蛋白7.2g／dL、AST 22U／L、ALT 13U／L、尿酸 9.5mg／dL、CRP 0.08mg／dL、血糖 135mg／dL、HbA1c 6.9％、白血球数 4,590／μL、血色素量14.5g／dLであり、糖尿病、高尿酸血症が疑われた。 |
| Ｑ | 最も疑われる疾患名は？ |
| １．口腔カンジダ症 | |
| ２．白板症 | |
| ３．口腔扁平苔癬 | |
| ４．紅板症 |
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