2022年03月号 「小児の繰り返す頬部の腫脹」
大澤孝行 Takayuki OHSAWA
横浜市立市民病院 歯科口腔外科 〒221-0855 神奈川県横浜市神奈川区三ツ沢西町1-1
図1 初診時のパノラマX線写真
図2 同、造影CT写真
図3 同、T1強調MRI写真
図4 同、脂肪抑制MRI写真
患者: | 8歳、女児 |
主訴: | 右側頬部の腫張疼痛 |
現病歴: | 2週間ほど前に発熱、右側頬部の発赤腫張を認め、近小児科を受診。抗菌薬を処方されるも寛解せず、当院小児科を受診。歯性因子の精査を目的に、当科を受診した。 |
既往歴: | 特記事項はなし |
Sick contact歴: | 特記事項はなし |
現症: | |
全身所見; | 体温38.1℃、消耗感あり |
口腔外所見; | 右側頬部の発赤、腫張、疼痛を認め、開口域は1横指で、咬筋部の開口時痛を認めた。 |
口腔内所見; | 特記事項はなし |
画像所見: | パノラマX線写真では特異的所見はなし。CTで右側側頭下窩軟部組織の腫張、MRIで頬骨および下顎枝部骨髄の低信号と、浮腫性変化を認めた(図1〜4)。 |
血液検査所見: | WBC11,060/μL、CRP9.8mg/dL。その他、異常所見なし。 |
Q | 最も疑われる疾患名は? |
1.頬部腫瘍 | |
2.頬部蜂巣炎 | |
3.頬骨骨髄炎 | |
4.悪性リンパ腫 |