2020年5月号 「右口底部の有痛性腫脹」
奥山秀樹1) Hideki OKUYAMA 石井秀太郎1) Shutaro ISHII
山ノ井一裕2,3) Kazuhiro YAMANOI
山ノ井一裕2,3) Kazuhiro YAMANOI
1)佐久市立国保浅間総合病院 歯科口腔外科
2)慶應義塾大学医学部 病理学教室 3)佐久市立国保浅間総合病院 病理科
2)慶應義塾大学医学部 病理学教室 3)佐久市立国保浅間総合病院 病理科
図1 初診時の口腔内写真
図2 同、パノラマX線写真
図3 同、造影MRI画像
患者: | 70歳代、男性 |
主訴: | 舌の下側の右側がヒリヒリ痛い |
既往歴: | 糖尿病、脳梗塞、食道癌 |
家族歴: | 特記事項なし |
現病歴: | 初診より約1年前から舌のヒリヒリ感があり近医に受診したところ、とくに問題なしとのことであった。その後経過をみていたが改善なく、当科初診より約1週間前にかかりつけ歯科を受診し、精査依頼で当科へ紹介となった。 |
現症: | 体格中等度、栄養状態良好、口腔外所見に特記事項なし。口腔内所見では右舌下ヒダに弾性軟の腫脹があり(周囲硬結なし)、表面は正常粘膜に被覆され圧痛が認められた(図1)。また、左右ワルトン管からの唾液流出があった。 |
画像所見: | パノラマX線写真(図2)、造影CTにて異常所見はなかった。造影MRIにて右口底部前方に、辺縁がやや不整な高信号域が2個連なるように認められた(2.4×1.1mm:図3)。PET-CTにて右口底部にFDG軽度集積があり、頸部リンパ節へのFDG集積増加はなかった。 |
Q | 最も疑われる疾患名は? |
1.ガマ種 | |
2.口底部良性腫瘍 | |
3.口底部悪性腫瘍 | |
4.唾石症 |