2020年4月号 「口がただれ、痛くて食べられない」
加納欣コ Yoshinori KANOH
あいち小児保健医療総合センター 歯科口腔外科
〒474-8710 愛知県大府市森岡町七丁目426番地
〒474-8710 愛知県大府市森岡町七丁目426番地
図1 頸部の皮膚に紅斑、びらんを認める
図2 口唇に血性痂皮の付着と流涎を認める
表1入院前の臨床検査結果(青字はわずかに基準値未満、赤字は基準値超)
患者: | 6歳、女児 |
主訴: | 口がただれ、喉が痛くて食べられない |
既往歴: | てんかん |
現病歴: | 抗てんかん薬を10日間内服したところ、顔面に発赤が出現した。薬の内服を中止するも、数日後に全身の滲出性紅斑、口唇の水疱、結膜充血が出現した。さらに陰部にも発疹を認め、38℃を超える発熱と口腔内の疼痛や咽頭痛のために経口摂取が不良となり入院、その後当科初診となった。 |
現症: | 発熱と全身倦怠感が認められ、全身の皮膚には大小さまざまな滲出性紅斑が認められた (図1)。口腔領域では、口唇に血性痂皮の付着と、接触痛や咽頭痛による嚥下障害が認められた(図2) |
臨床検査所見: | 入院前の検査結果を表1に示す。 |
Q | 最も疑われる疾患名は? |
1.りんご病 | |
2.溶連菌感染症 | |
3.手足口病 | |
4.スティーヴンス・ジョンソン症候群 |