2019年04月号 「顎骨内の不透過性病変」
有川 翔 Sho ARIKAWA 松山博道 Hiromichi MATSUYAMA 中橋一裕 Kazuhiro NAKAHASHI
松阪市民病院 歯科口腔外科 〒515-8544 三重県松阪市殿町1550
図1 初診時の口腔内写真
図2 同、パノラマX線写真
図3 同、CT写真(水平断)
患者: | 67歳、女性 |
主訴: | 右側下顎歯肉の疼痛 |
既往歴: | 高血圧症、慢性腎疾患、大理石骨病 |
個人歴: | 骨吸収抑制薬の使用歴なし |
現病歴: | 2017年4月に右側下顎歯肉の疼痛を主訴に近隣歯科を受診。投薬にて症状改善後にを抜歯したところ、2週間後より疼痛を伴う骨露出がみられたため、加療依頼にて当科初診となった。 |
現症: | |
全身所見; | 体格中等度、栄養状態は良好。発熱などの全身症状はなかった。 |
口腔外所見; | 顔貌は左右対称、頸部にリンパ節腫大はみられなかった。オトガイ神経領域に知覚異常はみられなかった。 |
口腔内所見; | 遠心歯肉部に接触痛を伴う骨露出がみられたが、排膿はなかった(図1)。 |
画像所見; | パノラマX線写真にての根尖に連続した不透過像がみられた(図2)。CTにて下顎骨の骨梁構造が不明瞭であり、根尖に周囲の透過像を伴う不透過性病変がみられた(図3)。 |
Q | 最も疑われる疾患名は? |
1.歯牙腫 | |
2.線維性異形成症 | |
3.骨髄炎 | |
4.歯肉がん |