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TopQ&A法律 > 法改正によって高齢運転者対策はどのように変わる?(2022年6月号)
Q&A
法律(2022年6月号)
Q法改正によって高齢運転者対策はどのように変わる?
●道路交通法の改正によって、今年の5月から75歳以上の高齢運転者への対策が強化されたと聞きました。具体的にどのように変わったのか教えてください。
── 栃木県・G歯科クリニック
A
令和2年6月10日に公布された改正道路交通法が令和4年5月13日から施行されました。その内容は、「高齢運転者対策の充実・強化を図るための規定の整備」、「運転免許の受験資格の見直し等に関する規定の整備」、「運転免許等に関する手数料および自動車の積載制限の見直し等」です。本稿では、ご質問の高齢運転者への対策に関する改正内容についてご説明します。
 高齢運転者対策の内容としては、「運転技能検査(実車試験)制度」と「安全運転サポート車等限定条件付免許」の2つの制度が導入されました。
1.運転技能検査(実車試験)制度
 75歳以上で普通自動車対応免許(普通自動車を運転できる免許)を保有し、一定の違反歴がある者は、運転免許証の更新時に運転技能検査を受検することになります。運転技能検査は普通自動車対応免許の保有者のみが対象であり、大特・二輪・原付・小特のみの保有者は対象外です。
 運転技能検査の結果が基準点に満たない場合、運転免許証の更新手続ができません。受検期間は更新期間満了日前6ヵ月以内で、繰り返し受検できます。
 運転技能検査の対象となる違反は、「信号無視」、「通行区分違反」、「通行帯違反等」、「速度超過」、「横断等禁止違反」、「踏切不停止等・遮断踏切立入り」、「交差点右左折方法違反等」、「交差点安全進行義務違反等」、「横断歩行者等妨害等」、「安全運転義務違反」、「携帯電話使用等」です。
 運転技能検査の内容は、普通自動車でコース内を走行し、一時停止や右左折等の課題を実施して採点を受けることになります。
2.安全運転サポート車等限定条件付免許
 申請により、普通免許によって運転できる普通自動車の種類を、安全運転サポートカー(サポカー)に限定するなどの条件を付与し、または変更する制度が導入されます。
 サポートカー限定の条件は申請のみによって付与されますが、一度付与した条件を解除するためには限定解除審査を受けることが必要です。サポートカー限定条件が付与されると、免許証には「普通車はサポートカーに限る」などと記載されます。
 限定免許の対象となるのは、普通自動車で、次の条件A、Bのいずれかに該当するものに限られます。
●条件A「衝突被害軽減ブレーキ(性能認定)+ペダル踏み間違い時加速抑制装置(性能認定)」
●条件B「衝突被害軽減ブレーキ(保安基準)」
 条件Aの「性能認定」とは、国土交通省による性能認定を指します。同省の性能認定を受けたもののみが条件を満たし得ます。
 条件Bの「保安基準」は、道路運送車両の保安基準に適合することを要し、性能認定よりも高い性能基準が適用されます。
 なお、このようなサポカー装置は後付け可能ですが、後付け装置は確認が困難との理由により、認定を受けていても対象外となります。すなわち、安全運転サポート車等限定条件付免許との関係では、後付け装置は条件を満たしませんので注意が必要です。

井上雅弘
銀座誠和法律事務所

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