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Q&A
経営 (2021年1月号)
Q コロナ禍でも歯科医院の収入を安定させる方法
●新型コロナウイルス感染症拡大の影響下でも、収入が安定している歯科医院の特徴を教えてください。
●鳥取県・I歯科
A
新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の感染者数の増加が留まる兆しをみせない状況ですが、歯科医院としては患者さんの健康維持のために、来院してほしいところかと思います。
 本稿では、コロナ禍でも収入が安定している歯科医院の特徴を述べます。

1.院内感染防止対策の実践と告知
 COVID-19の影響下でも歯科医院の収入が増加、つまり来院患者数が増加している歯科医院は決して多くありません。しかし、感染拡大期においても大きく業績を落としていない歯科医院の特徴を挙げるのであれば、「感染防止対策を適切に行い、それを患者さんへ告知している」ことが1つのポイントとなります。
 歯科医院の入口にアルコール消毒剤を設置し、体温を適切に図る仕組みを整え、施術中にはフェイスシールドとマスクをしっかりと着用することで、患者さんに感染防止対策を行っていることをアピールできます。
 また、診療時間中の十分な換気や、空気清浄器の設置など、目に見えるかたちで対策をすると、患者さんに安心してもらえるでしょう。
 また、院内で行っている感染防止対策については、歯科医院のホームページで患者さんにみてもらえるように告知することが効果的です。このように、3密(密閉・密集・密接)回避への取り組みを伝えることが、患者さんの安心に繋がります。一つ一つの取り組みを確実に行い、それらを適切に患者さんに伝えることを意識しましょう。
2.歯科医院の立地と診療内容
 院内の取り組みとともに、歯科医院の業績に影響を与えたと思われるのが、歯科医院の立地と診療内容です。緊急事態宣言などにより、人の往来が極端に減少したオフィス街に立地する歯科医院では、世の中で在宅勤務やリモートワークが普及したことによる影響が大きく出ました。
 現在では、一時期に比べると在宅勤務の日数が減ってきたとはいえ、週に1日もしくは2日は在宅勤務になっている一般企業が多いようです。それに伴い、オフィス街に立地する歯科医院では、定期的なメインテナンスなどの予約キャンセルが目立つところもあるようです。
 一方、患者さんの生活圏にある歯科医院では、それほど大きい影響はないことが多いです。また、歯の痛みに関しては緊急性が高いため、COVID-19によって診療を控えることは少ないようです。しかし、メインテナンス患者に関しては、オフィス街にある歯科医院から自宅近くの歯科医院へと転院する可能性が考えられます。
 在宅勤務によってオフィスに出向かなくてよいため、自宅近くの歯科医院で健康維持を図ろうとするのは、患者さんの自然な選択であるといえます。
 また今後、COVID-19の感染拡大により、再び経済に影響が出るようになると、個人所得に直接影響が出ます。そうなると、「この先、給与が減額されるかもしれない」、「業績がダウンするかもしれない」という不安感から、予定していた歯科医院での自由診療を先延ばしにする患者さんが現れる可能性があります。
 したがって、歯科医院全体の収入のうち、自由診療が占める比率が高いほど、診療を控えることによる収入減少のリスクが高まるといえます。
 国の政策や企業の就業形態の動向によって、患者さんの受診傾向や受診行動に大きく影響が出ることがあります。自院の経営努力だけではどうにもならない状況になるリスクがありますが、医院としてできることは、徹底した感染防止対策の実施と、患者さんに対する告知を怠らないことです。安心して受診できることの情報提供を続けることが重要です

門田 亮
デンタル・マネジメント・コンサルティング

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