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Q&A
経営 (2017年1月号)
Q 対人関係に悩むスタッフのサポートと改善策
●当院には、対人関係に悩むスタッフがいます。院内での技術の練習や勉強会、セミナーなどでは、他の参加者とも笑顔で話したり、言葉遣いも丁寧で愛想よく対応できるのですが、カウンセリングや受付作業、TBIのときになると、無表情でうつろな様子になってしまいます。対人関係について本人に確認すると、昔からの体質とのことでした。どうすれば改善できるのでしょうか。
──広島県・K歯科医院
A
  人と接するときに何らかの緊張を伴うことは、人間の本能として備わっているものですが、過去にトラブルを抱えたことがきっかけで、対人関係をうまく築けなくなるケースがあります。ご質問からすると、院内のスタッフとの間では比較的安定した状態を保つことができるようですが、患者さんなどの院外の人とのかかわり、さらには1対1の場面になると、非常に強い緊張を伴って表情が作れなくなったり、うつろになったりするのではないでしょうか。
  コミュニケーションがうまくいかない原因の1つとして、自分が相手からあまりよく思われていないのではないかという、人に対する恐怖の感情があります。あまり自分と信頼関係が構築されていない相手の場合、「相手に受け入れられていないのではないか」、「自分の表情や言葉が、相手を不快にさせているのではないか」という感情が先立ち、相手とのコミュニケーションがうまく図れない状況に陥ります。
  その点、自分のことを理解してくれているスタッフの前では恐怖心はないので、笑顔で言葉を交わすことができます。しかし、互いに信頼関係がまだ築けていない患者さんなどの前では、恐怖心が先立ち、うつろな表情となって表れてしまうのかもしれません。
  したがって、改善のポイントとして、患者さんとの信頼関係の構築に重点をおくことだと思われます。少し時間はかかりますが、患者さんに対応する際は、まず先輩スタッフのサポートから始め、そのスタッフも含めた会話を心がけます。先生のアシスタントとして傍におき、先生と患者さんとの会話に、そのスタッフも交えて話すのもよいでしょう。
  つまり、最初は複数内で自分が存在する状況を作り、そのなかで自分もかかわりながら人間関係を築きます。患者さんとも言葉を交わせるようになったころに、先生や先輩スタッフがいない状況下で少しずつ会話を進めてみるようにします。なお、担当する患者さんは、先生や先輩スタッフも初めて接する新患より、長年通い続けて信頼を寄せてくれている患者さんのほうが、その場の雰囲気を作りやすいかもしれません。先輩スタッフからの仕事の引き継ぎ、あるいはスキルアップのための実地指導として、患者さんからの信頼を得ることを検討してください。
  そうして何度かかかわりをもち、「自分の存在が患者さんを不快にさせているわけではない」、「患者さんに受け入れられている」と感じられる機会が増えてくると、少しずつ患者さんとの人間関係を築いていくことができます。良好にコミュニケーションが図られるようになると、そのスタッフが本来もっている笑顔や丁寧な言葉遣いが、患者さんからのさらなる信頼に繋がるかもしれません。
  改善を図るための期限や、どこまでできれば到達といったハードルを設けることはしないほうがよいでしょう。患者さんからの信頼の言葉やうまくいった状況などを記録し、本人にフィードバックすることで、自信を高めていくことを目指してください。

門田 亮デンタル・マネジメント・コンサルティング

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